スヌーピーと考える、「何者でもないぼく」を愛するということ
自分がわからなくなったときに寄り添うことば
以下、『13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば』からの引用掲載です。 わたしの人生よ、それを生きるのはわたしよ! (ルーシー) It’s my life, and I’m the one who has to live it !! ---------- ラストで「ちょっとした手助けはいるけど…」と言って、ニヤリと笑うルーシー。わたしは、彼女のこの一言がとても大事だと思う。わたしの人生をわたしが生きることと、まわりに手助けしてもらうことは、矛盾しない。むしろセットなのだ。 ---------- ぼくはぼくであることで、ひとに好かれたい…(チャーリー・ブラウン) I want to be liked for myself.. ---------- 「やさしいから」でもなく「お金持ちだから」でもなく「ぼくだから」好かれたいという気持ち、よーくわかる。でもこのエピソードには続きがある。次のコマでルーシーは、チャーリー・ブラウンに「ぼくってだれ?」と問う。なんて、なんて、なんてむずかしい問いなんだろう! 自分を愛してほしいのに、その自分が何者かなんてわからない。わたしはあなたに、わたしの何を愛してほしいのかな? ---------- もし自分たちのしてることを信じてないんなら、これって偽善じゃないんですか、先ぱい? (マーシー) If we don’t believe in what we’re doing, aren’t we being hypocritical, sir? ---------- 「偽善」って他人から言われることが多いかもしれない。マーシーは、自分で自分を信じられないとき、それは偽善なんじゃないかって考えているみたい。じゃあ自分を信じることができたら「善」なのだろうか。……頭がパンクしそう! ---------- わたし、大きな鼻してると思う、チャック? いつかだれかがわたしを愛してくれると思う? (ペパーミント パティ) Do you think I have a big nose, chuck? Do you think someone will love me someday ? ---------- 身をほろぼしてしまいそうになやんでいるのに、だれかにとってはどうでもいいことだったりする。それがわかったとして、自分のなやみが小さくなるとは限らないから大変だ。でもわたしも彼女に「もちろん!」って応えたい。 ---------- みんながそうするからって、きみがしなきゃならないってことはないんだ…(スヌーピー) Just because everyone else is doing it, doesn’t mean you have to.. ---------- あのね、行きたくなけりゃ、冬に備えて南へ行かなくたっていいんだよ…自分は自分でいいんだよ、っておとなは言う。ことばとしてはわかるけど、それでも外れるのはこわい。なんでだろう。おとなたちもそう言いながら、みんなと同じでいなくちゃって、不安をかかえているからなのかもしれないね。 ---------- ◇私たちは今、自分らしく生きているだろうか。「ピーナッツ」の仲間たちのことばと哲学者・永井玲衣さんの文には、自分の人生と向き合うヒントが隠されている。 第2回「スヌーピーと一緒に考える「悪いひとってどんな人?」」は「モヤモヤしているあなたに寄り添うことば」をお送りする。 ============================ Peanuts and all related titles, logos and characters are trademarks of Peanuts Worldwide LLC (C) Year Peanuts Worldwide LLC. ============================ 『13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば』 原著/チャールズ・M・シュルツ 訳/谷川俊太郎 文/永井玲衣 世界文化社刊
チャールズ・M・シュルツ/谷川 俊太郎(詩人)/永井 玲衣(立教大学兼任講師)