「めちゃくちゃ楽しいです」打撃開眼! DeNAの新“切込隊長”梶原昂希24歳、ヒット量産のわけは…「打席では棒立ちくらいのイメージで」
打席に入る際、バックスクリーンを見上げると、自分のプロフィールやスタッツが目に入る。その瞬間、横浜DeNAベイスターズの梶原昂希は、プロの舞台に立っていることを強く実感する。 【写真】「動きがイキイキしてる」躍動感溢れる梶原昂希25歳のプレーぶりを見る 「過去1~2年は、一軍で打席に入ることが少なく、目にすることはあまりなかったのですが、今シーズンはビジョンに映し出される打席数や安打数、盗塁数が日々1個1個伸びていくのが楽しいです。別に個人成績を大事にしているというわけではなく、シンプルに新鮮というか、ああプロでやっているんだなと感じる瞬間でもありますし、自分のモチベーションにもなってもいるんです」 充実した表情で梶原は、そう言った。
プロ3年目、開花のとき
プロ3年目の今季は、ついにその才能を開花させようとしている。主に1番バッターを任され、“切り込み隊長”としてチームに勢いを与え、塁に出ればチームトップクラスの走力でダイヤモンドを駆け巡る。長打もあれば足もある、24歳の魅力的な若手外野手だ。 今季の成績は、ここまで64試合に出場し打率.330、10盗塁という数字を挙げ、とくに8月に至っては16試合連続安打に加え打率.374、OPS.934(8月26日現在、以下同)という圧巻のスタッツで月間MVP候補に名乗りを挙げている。 ただスタートから順風満帆というわけではなかった。オープン戦で.308の打率を残すと、プロ初となる開幕スタメンに名を連ねたが、いきなり3三振。その後もバッティングの調子が上がらず4月25日に一軍登録抹消されると、そこから約1カ月、ファーム暮らしがつづいた。 梶原は当時のことを振り返る。 「オープン戦で良くて、なぜ開幕してから上手く行かなかったのかをファームにいるときに考えました。しっかりやらなければいけないというか、結果を求めすぎてしまって、それが力みや焦りに繋がり、持ち味を生かすことができなかった。だからファームでは打席の中で落ち着いて、新しいことに取り組むというよりも、自分のスイング感覚を取り戻すことに集中しました」 打撃に関しては、これまでの経験や尊敬するソフトバンクの柳田悠岐との自主トレを通じて得たものが多くあり、理想とするスタイルをイメージできつつあった。あとはいかに感覚を一軍でアジャストさせるかだけだった。 「一番大事なのはタイミング。どうしても打席っていうのはピッチャー主導のタイミングになってしまうので、それをいかに自分のタイミングにもっていくか。よく“立ち遅れ”って言うんですけど、相手に合わせようとするとどうしても差し込まれるので、感覚的には“受ける”のではなく“待ち構える”。タイミングを一番取りやすいカタチにどうやってもっていくか。その上で、フォームや立ち位置、スイング軌道といったものがついてくるんです」 ファームでは100打席以上に立ち、自分の感覚をすり合わせて3割を超える打率を残すと、晴れて5月30日に再昇格。ここから梶原の快進撃はスタートする。 とくに7月15日の広島戦(横浜スタジアム)で3安打を放ったあたりから、手が付けられない状態になっていった。15試合連続出塁に加え、7月21日のヤクルト戦(神宮)では4安打、さらに8月10日のヤクルト戦(横浜スタジアム)では5安打を放っている。インサイドや高めのボールでもスムーズにバットが振れ、ゾーンの見極めも的確になった。梶原はこの時期“ある変化”があったことを教えてくれた。
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