「タイトルマッチの体をなしていない」新日本プロレスの大混乱…内藤哲也の“二つの戦い”は起爆剤になるのか?「オレが取り返すしかないでしょう」
内藤哲也の挑発「ジェイク・リー、悔しくないの?」
「IWGP世界ヘビー級王座を持ってどこにでも行く。正直、対戦相手なんて誰でもいい。リングに入れば、オレは誰でもいいんだ。大阪のストリートでも、アラバマの田舎でも、どこでもいい。いつ、どこで、どんな状況であろうが、オレは戦う。リングの中じゃなくてもいい。このタイトルマッチができるということが、オレにとって大切なことであり、その相手が誰かということは重要ではないんだ」 そんなモクスリーに対し、「だれも名乗りをあげないから」とやってきたのが内藤だった。4月12日、アメリカ・シカゴで内藤はモクスリーに負けてタイトルを失っている。ここまで静かにしていたのが不思議なくらいだったが、内藤はなおも穏やかだった。 内藤は6月15日に北海きたえーるで行われる『ALL TOGETHER』のメインイベントで、プロレスリング・ノアのジェイク・リーと対戦する。 「ジェイク・リー選手、悔しくないの? この状況。自分で言うのもなんだけど、二兎を追う者は一兎をも得ず? まさにそんな状況でしょう。自分でもそう思いますよ。そもそも(IWGPを)流出させてしまったのはオレなわけで、それならオレが取り返すしかないでしょう。なんか『ALL TOGETHER』でのシングルマッチの興味がなくなっちゃった。ジェイク・リー戦が、モクスリー戦のステップのようなそんな試合になってしまった。ジェイク・リー、悔しいだろう。まだ時間はあるよ。動いてみろよ。口か? それとも足か? 自分の体を使って、この状況を変えてみろよ」
「内藤哲也、お前は死ぬんだ」モクスリーの宣告
4月23日に内藤が後楽園ホールのリング上でリーに襲われてKOされたときには、「これは面白い展開になるんじゃないか」と期待した。ところが、その後、4月27日の広島サンプラザホール、5月6日の日本武道館や5月22日のノアの後楽園ホールなどで対戦を繰り返したが、なんだか盛り上がらない。たしか、二人の初遭遇は1年半前のドラディションのリングだった。 内藤vs.リーは明らかにトーンダウンしている。興味の対象から除外されようとしている。ファンばかりでなく、当事者の二人とも醒めている感じで、ただメインイベントで試合をするだけになってしまうのか、と危惧してしまう。 そのあまりのトーンの低さに、何かの大爆発があるのかと、逆に期待するしかないだろう。リーにとってはラストチャンスでもある。 内藤の頭はもう6月30日のモクスリーとの再戦に傾いている。一方のモクスリーは、ジョシュ・バーネットと6月22日に両国国技館でのバーネット主宰の『Bloodsport Bushido』で対戦することが決まっている。 「内藤、お前がどこかに潜んでいて、来るとわかっていたぞ。今、断崖に立っているのは、お前とオレだけなんだ。『FORBIDDEN DOOR』で残っている仕事をすべて終わらせる。お前を棺桶に入れて土の下に葬ってやる。火を放ち、埋めてやる。内藤哲也、『FORBIDDEN DOOR』でお前は死ぬんだ」 内藤は日米の二つの戦いを無事、終えることができるのだろうか。
(「プロレス写真記者の眼」原悦生 = 文)
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