創部初の快挙まで“あと1つ”…3年ぶり出場の昌平、成田心海が2戦連続20点超でけん引
■長身の留学生にも対抗
12月24日、東京体育館で『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の女子2回戦が行われ、昌平高校(埼玉県)が日本航空高校石川(石川県)に最終スコア78-49で勝利。慶誠高校(熊本県)との3回戦へコマを進めた。 この試合のポイントとなったのは第2クォーター。最初の10分間を16-17で終え、第2クォーターでは持ち味のプレッシャーディフェンスで6個のターンオーバーを誘発した。この10分間で5本のスティールを奪うと、ルーズボールにも飛び込んで13点リードで前半終了。後半の20分間は40-26と相手を寄せつけなかった。 昌平の登録メンバーの平均身長は165.4センチ。日本人のみのチームながら1、2回戦と続けて留学生を擁する相手を退けた。 日本航空石川戦では合計45本のリバウンドを取られたものの、昌平も39リバウンドを拾って対抗。指揮をとる加藤祐介コーチは「原田が留学生にボールが入る前のディフェンスを頑張ってくれました」と、174センチの原田朱夏(3年)を称え、「昨日と同じように出だしが重かったですが、タイムアウトを取らずに選手たちで立て直してくれたことが大きかったと思います」と勝因を述べた。
■初の夢舞台「実際に自分がコートに立つと…」
オフェンスでは佐々木美光(2年)、成田心海(3年)の両ガードが2人で41得点をマークした。 「自分はスピードを生かしたプレーが得意です。周りのディフェンスが寄ってくればアシストもできるので、まずは自分から攻めることを意識しています」と語る成田は、チーム1のスピードの持ち主。新潟産業大学附属高校(新潟県)との1回戦では22得点を挙げ、この日は20得点に加え7リバウンド6スティールの活躍で勝利に貢献した。 「最初は流れが悪くなってしまいましたけど、その流れを『自分が変えなきゃいけない』という意識を持って積極的に攻めました」。 試合後に笑顔を見せた成田は、今年のチームの強みについてこう話す。 「小さいチームですけど高さのあるチームにもルーズボールで負けないですし、大きい相手を(スピードとテクニックで)かわしてシュートを決められるところだと思います」 チームは2年連続でインターハイ出場を果たしているが、ウインターカップは3年ぶりの出場。「ウインターカップはテレビやスマホの画面で見ていましたけど、実際に自分がコートに立つと思っていた以上に広かったので最初はびっくりしました」と、成田は初の舞台に立った素直な気持ちを明かす。 今大会の目標はベスト8。次の試合に勝利すれば、1979年の創部以来、最も優れた成績を残すことになる。3回戦で対戦する慶誠は187センチのロー ジョバとポイントガードの岸希がチームの中心を担い、今夏のインターハイではベスト8進出を果たしたチームだ。 「次の試合もビッグマンがいるチームと戦うので、今日の試合で良かったところを明日はもっと良くできるように頑張りたいです」。そう意気込みを口にした昌平のスピードスターが、明日の試合でも大きな鍵を握る。 取材・文=小沼克年
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