西武池袋本店の改装に向けたパーティーに700人 新生そごう・西武をアピール
そごう・西武は12日夜、2025年夏に全館リニューアルオープンする西武池袋本店について取引先などを集めた「IKEBUKURO SEIBU INCLUSIVE PARTY」を東京・港区の綱町三井倶楽部で開いた。昨年9月に米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループ傘下になって以来、そごう・西武首脳が公の場で初めて顔をそろえるイベントで、代表取締役の劉勁氏、社長の田口広人氏、副社長のダヴィデ・セシア氏、同じく副社長の久保田俊樹氏らが出席した。
パーティーには約700人が参加した。壇上ではフォートレス日本法人代表の山下明男氏、西武ホールディングス会長兼CEOの後藤高志氏、慶應大学名誉教授の竹中平蔵氏、豊島区区長の高際みゆき氏らがあいさつに立った。取引先を代表して、LVMHモエ ヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン社長のノルベール・ルレ氏もスピーチした。東京都知事の小池百合子氏からもビデオメッセージも紹介された。
パーティーの前には記者会見が行われた。西武池袋本店はヨドバシカメラの大型店の出店に伴い、売り場面積を55%に縮小し、ラグジュアリー、ビューティ、フード、アートの4領域に注力した店舗へと刷新する。それでも劉氏は「隣接するヨドバシの人流もうまく生かし、改装後も将来的には(改装前と)同じレベルの売り上げを目指したい」と話した。劉氏はこれまでの西武池袋本店は「全てのお客さまをハッピーにしようと全領域の売り場を構えて、膨大なコストをかけて百貨店を維持してきた」「今後はデータドリブンで営業投資を決める」と述べた。
社長の田口氏は「百貨店のあるべき論」ではなく、現実の顧客ニーズに応える方向に切り替える。「百貨店のフルターゲット、インキュベーションの理念は通用しないのに、そこにこだわり続けてしまった」「二度も失敗はしたくない」と反省の弁を述べた。改装後はブランドの世界観を表現できる旗艦店に力を入れる。改装前は消化仕入れとテナント契約の割合が7対3だったが、改装後は3対7へと逆転する。元プラダジャパン社長で出店交渉を担った副社長のセシア氏は「一流ブランドが大事にしているのは世界観。改装後の新しいコンセプトにほとんどのブランドが賛同してくれた」と話した。