“フツーの若者”が「闇バイト」に手を出すワケ 「警察ってすごいですね」想像力の欠如も…弁護士が分析する共通点
「闇バイトをさせない」親が子どもに伝えるべきこと
子どもが突然逮捕され、「加害者家族」になってしまう親もたくさん見てきた中原弁護士は、「(逮捕後の)本人と家族の関係を見ているのが本当につらいんですよ」と嘆く。 自分の子どもが闇バイトに応募しないよう、親は何に注目し、どう声をかけるべきなのか。 「先に述べた通り闇バイトに応募する若者たちは家族関係がしっかりしていて、両親のことを『大好き』と素直に言える子もいます。それなのに、ほとんどのケースで借金があることは親に言えていません。 個人的な話ですが、私は成人する頃に親から『借金だけはしないでくれ。もしお金に困ったら相談に乗るから』と言われたのが印象に残っていて、何となく守ってきました。何かの節目や、お子さんが趣味にハマっていて『グッズを大量に買っているな』と感じた時などに、そういう声かけをしてあげるのは一つの方法かもしれません」(中原弁護士) また、闇バイトは「コスパが悪い」ことも伝えてほしいという。 「コスパがいいと思って高額報酬の闇バイトに応募する若者が多いですが、逮捕されればまず最大72時間身柄拘束され、続いて最大20日間勾留されることが現状避けられません。23日間、真面目に働いた方がよっぽどコスパがいい。その後、起訴され、実刑判決を受けて数年、十数年、数十年刑務所に行くことになったらなおさらです。 それに、たとえば特殊詐欺で高齢者から100万円を受け取って上位者に渡すという役割の“受け子”が、報酬をもらう前に逮捕されるケースがよくあります。その時、報酬を受け取っているか否かは関係なく、100万円の被害弁償は報酬も得ていない“受け子”がすることがほとんどです。実刑を免れるためには、それくらいのことをしなければなりません。その結果実刑を免れたとしても、コスパがいいどころかマイナスになることもあるのだと、若者たちには知っておいてほしいですね」
弁護士JP編集部