セクシーに透けるが包み込むデザイン…6年ぶり復活のヴィクトリアズ・シークレットのショーは本当に生まれ変わったのか?
露出度が低い、心地よいデザインのランジェリー
今回のファッションショーは、「ヴィクトリアズ・シークレット」がこれまでの批判をどう捉え、「具体的に何を変えたのか」を世界にプレゼンする機会だっただけに、大きく注目された。 ショーに使用されたランジェリーは、これまでのような露出度の高いアイテムやセクシー度が高いものは少なくなった印象だ。
そして透け感のある素材を使いつつも、体をふんわり包んだデザインが多かった。
「ヴィクトリアズ・シークレット」の「これから」はいかに?
ライブパフォーマンスを行ったミュージシャン3人がすべて女性だったことも印象深い。 多様な出演陣を揃え、インクルーシブなショーを作り上げるようとした努力が見えるショーだったと言える。その点では高く評価される結果となった。 しかし今回のショーで「過去」がすべて払しょくできたわけではもちろんない。6年ぶりのショーだっただけに「久し振りに見て楽しかった」「懐かしかった」と思った視聴者は多いが、「どの程度生まれ変わったのか」「新たな方針にブレがないのか」等には疑問が残る。 かつてのような売り上げとブランド力を回復し、またファッションショーとしても以前のように世界中の人が「見たい」と思えるコンテンツとして返り咲けるのか?― ファッション業界だけでなく、多様性のある社会を支持する多くの人たちが注目している。
文:宮田華子