【解説】二階俊博氏の三男に出馬要請 離党の世耕氏はどうする? 復党を目指すのか・・・総理を目指すのかで変わる”身の振り方”
次期衆院選の新和歌山2区について、和歌山県町村会は24日、不出馬を表明した自民党の二階俊博元幹事長の三男で公設秘書の二階伸康氏に出馬を要請しました。 次の衆議院選挙は「10増10減」の選挙区割り変更で、現在3区ある和歌山県の選挙区は、和歌山市、岩出市、紀の川市の新1区と、それ以外の新2区に再編されます。 二階氏が地盤としてきた3区は新2区となります。現在2区から選出されている石田真敏氏は比例区に転出する方針とされていますが、参議院和歌山選挙区選出の世耕弘成氏が新2区に鞍替え出馬するのではないか?とささやく政界関係者もいるようです。
世耕氏は何を目指す? 復党を考えるなら「波風立てずに」
果たして、世耕氏の鞍替えはあるのか。 木原善隆ABCテレビコメンテーターの解説です。 世耕氏が何を基準に考えるかで身の振り方が変わってくると予測します。 まず、自民党への復党を第一に考えている場合。いわゆる”パーティー券の裏金問題”で離党した世耕氏ですが、自民党議員ではなくなったことで気兼ねなく和歌山新2区に鞍替えができると言えばできます。 しかし復党を第一に考えるのであれば、自民党に対して波風を立てるのは得策ではなく、2025年にある参議院選挙を無所属で再選し、その後の復党という流れを見据えるのが妥当でしょう。
総理の椅子を諦めきれないのなら「鞍替え!」勝負も・・・ついて回る”裏金”の印象
次に、総理大臣を目指すことをあきらめていない場合。 世耕氏は参議院幹事長も大臣も経験しています。それより上を目指すならば総理大臣しかないのですが、仮に次の参議院選挙に通って復党できたとしても、参議院議員で総理になった例は過去にありません。 そうであれば一か八かで、二階氏を敵に回してでも衆議院に鞍替え出馬!という勝負の一手を仕掛けることがあるかもしれません。ただし、「裏金問題」による離党で、総理への道は険しくなったと考えるのが普通でしょう。 選挙の話が出始めてフェーズが移っているように見えますが、その前に、政治資金規正法の改正など”裏金問題”の再発防止策を最優先すべきであるのは当然のことです。 木原善隆 ABCテレビコメンテーター 地方自治・選挙分析が専門 パリ特派員 台北・上海支局長を歴任