”無人島”の世界遺産「野崎島」は今…輝く信仰の歴史と進む荒廃 保全への挑戦最前線
長崎放送
2018年、歓喜の声とともに世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。その構成資産のひとつ、小値賀町の野崎島は島全体が世界遺産となっており、長い年月をかけて伝わる信仰の歴史を刻んでいます。しかし今、時の流れとともに島には厳しい自然環境と人手不足が課題としてのしかかっています。荒波にさらされる歴史遺産を未来に引き継ぐため、保全活動に挑む地元の取り組みを取材しました。 【写真を見る】”無人島”の世界遺産「野崎島」は今…輝く信仰の歴史と進む荒廃 保全への挑戦最前線 「ADOPTED!(採用)」 歓喜の声が上がったのは今から6年前、2018年でした。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産への登録。 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、17世紀から250年も続いたキリスト教禁止令の下、信仰がどのように続いたのか?その歴史を伝える12の構成資産で成り立っていて、その中に野崎島もあります。 世界に認められた地元の宝。しかし時間の経過とともに問題が表面化しています。 ■無人島の世界遺産「野崎島」に上陸 NBC 長記者: 「小値賀町にきています。私の後ろに見えているのが野崎島で『潜伏キリシタンが信仰を継続した取り組みの跡』が残されています。島そのものが世界文化遺産の構成資産になっています」 島全体が世界遺産となっている、野崎島。その象徴といえるのが旧野首教会です。信者たちが《信仰の自由》を手に入れた証。島には禁教の時代、信者たちが暮らした跡も残っています。 その野崎島の現状を知り、保全をはかろうと行われたイベント「野崎島レスキュー隊」です。小値賀町の呼びかけに、県の内外から50人が参加しました。 小値賀町 中村慶幸教育長: 「風が吹いていて強いので、定期船も欠航するぐらいの天候ですけども、最後までけがのないようにどうぞよろしくお願いします」 この日の野崎島は、近づく者を拒むような強風が吹きあれていました。管理の人が一人いるだけで、事実上の無人島となっている野崎島。上陸し教会に向かってみるとー。