金沢市都心軸沿線の「都市再生緊急整備地域」指定に向けた準備協議会の第2回会合は21日、市役所で開かれ、市側は国に提出する地域整備方針の素案の骨子を示した。高さ制限について金沢駅周辺は規制順守を求めない内容で、委員からは懸案となっている金沢都ホテル跡地の再開発を促すためにも、高さ制限を除外できることを明記すべきとの声が上がった。年内に開く次回会合で素案を取りまとめる。 　素案の骨子によると、金沢駅から片町に至るエリア59ヘクタールを緊急整備地域に指定する。このうち、金沢駅周辺とそれ以外の都心軸エリアに分けて整備方針を示した。 　市は駅周辺から武蔵地区まで60メートル、南町、香林坊、片町地区で45メートルの高さ制限を設けている。骨子では駅周辺以外については制限の順守を求める一方、駅周辺は規制に関する文言を入れなかった。 　委員の徳田博副知事は「駅周辺とそれ以外のエリアの扱いが異なることを明確にするためにも、駅周辺の高さ規制を緩和できる旨を盛り込んでほしい」と求めた。 　米澤寛金沢商工会議所副会頭は、金沢駅前の一等地である都ホテル跡地が5年以上塩漬けになっているとした上で「高さや容積の緩和があって初めて民間の計画が成り立つ。そこのところを明記しなければ提案は出てこない」と述べた。 　市側はこうした意見に対して素案の記載を検討する考えを示した。このほか、委員からは文化観光の機能充実や防災機能の向上を求める意見も挙がった。 　来年夏をめどに緊急整備地域の指定を受ける計画で、市は年度内に内閣府に素案を提出する。