瀬川瑛子「68歳で足首を骨折。夫におぶわれたら肋骨も折れて…。73歳で腸にポリープ、急性胆管炎も。食生活から見直して老いを楽しむ工夫を」
70歳前後で体の不調に見舞われた瀬川瑛子さん。いつまでも歌い続けたいという願いをかなえるために、栄養学を教える医学博士の川口美喜子さんが効果的な食べ方を指南します(構成=丸山あかね 撮影=鍋島徳恭) 【写真】川口さんが提供している「からだに優しい食事」の例 * * * * * * * ◆巷にはさまざまな情報が溢れている 瀬川 川口先生は島根大学医学部附属病院で9年間、がんや糖尿病などの患者さんに向けた、栄養管理をなさっていたとか。 川口 はい。子どもたちが巣立ったのを機に、2013年から東京へ拠点を移して、現在は大妻女子大学で教育に携わっています。 瀬川 栄養学の豊富な知識と現場での実践経験を兼ね備えているなんて素晴らしいですね!私は76歳になり、改めて食事の大切さを痛感しています。 川口 今、年齢を伺って驚きました。若々しいですねぇ。お肌も艶々だし、スラッとしておられます。専任の方に栄養管理をしてもらっているのですか? 瀬川 いいえ。自分でしてきました。歌手だった父の健康管理を、母が食事面からサポートしていたのを見て育ったので、見よう見まねではありますが。 とはいえ歌い手は生活が不規則で食生活を整えるのは至難の業。特に「命くれない」がヒットした39歳からはとにかく忙しくって、三食ともテレビ局のお弁当なんてことも少なくありませんでした。
川口 えーっ。それではカロリーオーバーで太りますよね? 瀬川 太りました(笑)。でも51歳で再婚した時に、ミニのウェディングドレスを着たい一心で9キロ減量したんです。ストレッチ運動をして、甘いものをセーブ。母直伝の酢大豆を容器に入れて持ち歩き、口寂しさを誤魔化したりして……。 川口 エネルギー代謝を高める酢と、たんぱく質や食物繊維などの栄養素がたっぷり含まれた大豆の組み合わせはダイエットに最適。大正解です。 瀬川 身長168センチの私の場合、1日の栄養摂取量を1800キロカロリーに抑えれば太らないはず。ただ、やりすぎると声が出なくなるので匙加減が難しいのです。 川口 覚えておいていただきたいのは、食生活では「主治医は自分」だということ。ベストバランスは自分にしかわからない。 瀬川 巷にはさまざまな情報が溢れていますよね。この食材が健康にいいとか、調味料がいいとか。どのように取捨選択したらいいのか迷ってしまいます。 川口 まずは自分の体に合っているかどうかを試しましょう。以前には見られなかった不調を感じるならやめればいいし、楽になるなら続ければいい。「A先生が言っていたから」と妄信して、続ける必要はありません。自分の心と体に相談して、賢く情報を取り入れてください。
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