北筑「今永効果」で初戦突破、左腕橋本陽向が3回無失点「いつも通りに投げられた」/福岡
<高校野球福岡大会:北筑13-0筑豊(5回コールド)>◇4日◇2回戦◇北九州 「今永効果」だ! カブス今永昇太投手(30)の母校、北筑が5回コールド勝ちで初戦を突破した。 先発した背番号9、橋本陽向外野手(2年)は憧れの先輩と同じ左投げ。最速125キロ直球も、低めに沈むチェンジアップとの緩急で3回2安打無失点にまとめた。春夏通じて初の甲子園出場でナインは海を越えて吉報を届けるつもりだ。大会連覇を目指す九州国際大付は快勝発進した。 160センチ、60キロの左腕は強心臓の持ち主だった。背番号9の橋本はポーカーフェースを貫き、ピンチを脱するとグラブをたたいた。その姿はカブス今永と重なった。 2回1死一、二塁の場面。7点リードしている状況も、無失点にこだわった。3球で追い込んでからの4球目。相手7番打者へ低めに沈むチェンジアップを投じた。タイミングを外し、注文通りの三ゴロ併殺に。「いつも通りに投げることができた」。3回を投げ2安打無失点、3三振も奪う好投だった。 偉大な先輩を参考に直球の質を磨いた。「今永さんのようなきれいな真っすぐ。テレビ、ユーチューブで見たりしている」。研究に加え、遠投では球の回転を意識する。最速は125キロも、キレが増すことで変化球は生きる。スライダー、決め球のチェンジアップに幅も広がった。 同校にとって大先輩は希望の星だ。昨年に「ぜひ使ってください」と今永から寄贈されたものがある。WBCで使用していた「JAPAN」のロゴ入りのキャリーケースだった。主将の藤井晴琉外野手(3年)は興奮気味に「(日本代表の)空気感を感じました」と言う。今は捕手の用具を運ぶ際に使用する必需品となった。その他にも校内にはユニホームが展示され、大きな刺激をもらっている。 目標はただ1つだ。藤井主将は「甲子園に出ることです」と力強く言った。春夏通じて初の甲子園出場へ-。先輩が高校時代にたどり着けなかった舞台を目指し、海を越えた吉報を届ける。【佐藤究】 ◆橋本陽向(はしもと・ひなた)2007年(平19)7月11日、福岡県久留米市出身。小3で野球を始め、北九州千代中ではヤング北九ベースボールクラブに所属。北筑では1年夏からベンチ入り。50メートル走6秒8、遠投80メートル。160センチ、60キロ。左投げ左打ち。