鈴木愛理「目の前の小さな積み重ねを大事に」、下北沢が舞台の音楽ヒューマンドラマ<ある日、下北沢で>
鈴木愛理がTOKYO MXオリジナル脚本ドラマ「ある日、下北沢で」(TOKYO MXにて3月17日(日)19:00-20:00、BS11にて 3月24日(日)19:00-20:00放送)で主演する。本作は下北沢を舞台に、ミュージシャンを夢見ていた女性が様々な人と関わる中で、ありのままでいてもいいことに気付いていくヒューマンドラマになっている。そして今回、主演を務める鈴木愛理にドラマや自身のことについて語ってもらった。 【写真】“シモキタ”ファッションでもこもこキュートな鈴木愛理 ■出演者は全員ミュージシャン、鈴木愛理は“愛理”役で出演 ーー「ある日、下北沢で」のテーマや台本についてお聞かせください。 下北沢が舞台ということで、それだけで作品の色が想像できるなと思いながら台本を読んでいました。下北沢のレコード屋さんで働いている主人公っていうのがど真ん中にあるテーマなので、そこを中心に巻き起こる“詐欺レコード事件”の話と、愛理の周りにいる温かい人たちとの日常が描かれているドラマです。とにかく温かくて、下北沢に住みたくなるようなドラマだなと思います。下北沢は古着とかカメラを見に遊びに来る街になっていると思うんですけど、元々下北沢に住んでいる人の色が滲み出ると良いなと思いながら演じました。 ーー出演者はアーティストの方が多いのですね。 そうですね。出演しているのは、下北沢にゆかりのあるアーティストさんばかりです。今住んでいる方もいるし、よく下北のライブハウスでライブしていたっていう方も多くて。出演者は全員ミュージシャンで、すごくやりやすくてあっという間に撮影が終わりそうです。あと全員が自分の名前でドラマに出ているので、自分の色も出しつつ演技をされています。そのおかげで良い感じに肩の力が抜けていて、人によっては私服で出演されている方もいるので、リアルな感じになっています。日常と撮影中がズレていないのが、すごく楽しかったです。 ーー勝手ながら、鈴木さんには下北沢のイメージがあまりなかったです。 そうですよね、よく言われます。でも美容室に行ったり、古着も好きなので実はよく来ます。一人でカレーを食べに来ますし、好きなコーヒー屋さんもあって実は好きな街なんですよね。都会なのに息が抜ける場所で、皆ゆっくり自分のペースで歩いている感じがあって、疲れた時に来るとリラックスできます。たまにふと来たくなる街です。 ■役柄の“愛理”は「物心ついてから下北沢に来た子」 ーー「ある日、下北沢で」はどのような作品になりましたか? 演奏する人がいたりレコードの音が流れたりって感じで頻繁に音楽が出てくるので、作品全体に音楽への愛が溢れているドラマです。あと個人的には衣装が可愛いと思っているので、そのあたりも見ていただきたいなと思います。 ーー音楽がお好きな鈴木さんにとって理想的なドラマですね。 そうですね。1日でクランクアップしている人もいたんですけど、それでも仲良くなりました。「またご飯行きましょうね」ってミュージシャンの方たちとの良い出会いがたくさんありましたね。「この皆でいつかライブしたいね」という話も出ました。先輩ミュージシャンの方たちが皆知り合いみたいな中、私は「初めまして」の人が多かったんですけど、すごく楽しかったです。 ーー鈴木さんの役柄が「愛理」であることも面白いポイントです。「愛理」ついて、制作陣からの意図や演技プランのオーダーなどはありましたか? あえて全員が自分の名前を背負って出ることで、「この面々が下北沢に住んでいたらっていうリアルさを出したい」ということを制作陣の方から聞きました。昔から住んでいる子じゃなくて、物心ついてから下北沢に来た子っていうイメージだったので、衣装もそういう感じになっています。 ーー「愛理」は鈴木さんと近い感じの女性でしたか? そうですね。ただ、違うところもあります。ドラマ版の「愛理」は夢を追いかけるというより今が好きだと思えているんですけど、私は常に前進していきたいっていうタイプなんですよ。でも芸能界にいなかったら、私もこういう感じなのかなとも思います。ゆったり生活するならこういう感じだろうなって想像しながら撮影していました。 ■鈴木愛理流の自分の愛し方、第一歩は「自分が笑顔でいられる時間を作る」こと ーー「愛理」はミュージシャンへの憧れを持ちつつも、「何者でもない自分」にモヤモヤを抱えている人物です。鈴木さんが歌手を志したときはどのようなモチベーションで活動されていましたか? 私は8歳からのこの世界にいるので、良い意味で仕事をしている感覚がなくて、生活の一部って感じなんです。歌って踊って人前に出ることで、鈴木愛理でいるモチベーションを保っています。でも大きすぎる夢は漠然としか持たないようにしていて、目の前の小さな積み重ねを大事にしていくタイプかなと思います。お母さんからよく「3年後の自分のために頑張りなさい」って言われるので、何かあったらそう考えるようにしていますね。 ーーよい言葉ですね。「こうなりたい!」っていうイメージはなかったのでしょうか? そうですね。30代の時にこんな感じでいたいなっていうのはありましたけど、実際には全く違うので。(笑)ただ、常に現状に満足しないようにしてきました。 ーードラマの愛理は、今のままの自分をテーマに描かれますよね。鈴木さんご自身は自分を愛してあげるために心がけていることがありますか? 今の時代はすぐにエゴサもできて、芸能活動をしていない子でもSNSで批判されることがあって、昔より傷つくことが増えているのかなと思うんです。私は何かあったら“人は意外と自分を見ていない”と考えるようにしています。自分を愛してあげるためには、「まず自分が笑顔でいられる時間を作る」ことから始めると良いかもしれないです。よく食べてよく寝て、好きだなと思える人と一緒にいてっていうのが大事だと思いますね。 ーー最後に、「ある日、下北沢で」についてのコメントをお願いします。 1話限りのドラマではありますが、音楽や下北沢という街を通して、自分自身のあり方や今の幸せな環境に気付くことができるような作品になっています。3月は新学期が始まる直前で新しいことにワクワクしている時期だと思うんですけど、4月からの新生活に向けて背中を押すようなドラマになれば嬉しいです。 (スタイリスト/森宗大輔 ヘアメイク/榊原みさと)