何でもメジャーにならう必要はない。日本の野球を追求していくべきだ【張本勲の喝!!】
日本の野球を大切に
若かりしころの筆者。通算死球数は78個だった
最近の野球で目につくのはリクエスト制度だ。審判の判定に異議がある場合、ビデオでの確認を求めることができる。以前はホームランのみだったが、2年前からどのプレーにも要求できるようになったようだ。 私は必要ないと思う。そのたびにプレーが中断し、確認までの時間がかかる。球場で観戦しているファンのことを考えれば、要求があるたびに待たせられてはたまったものではない。間が空けば、それだけ試合時間も長くなるし、ファンも飽きてくる。「早く始まらないかな」と思うだろう。 審判も人間だから、絶対に正しい100%のジャッジなどありえない。しかし微妙な判定に対して監督がいちいちベンチを飛び出し、審判に確認を求めるのはいかがなものか。そもそも私は日本の審判は世界一と言っていいほど優秀だと思っている。アメリカの審判は大雑把だし、韓国の審判の技術も決して高くはない。台湾、中国も似たようなものだ。それに比べると、もう少し勉強してもらいたい部分はあるが、日本の審判は極めて優秀だ。絶対に間違っているという確信があれば別だが、監督は確認のためだけにリクエスト制度を使うのはやめてもらいたい。時間の無駄でしかない。 それ以上に私が必要のないと思っているのがコリジョンルールだ。本塁での衝突(=コリジョン)で負傷者を出さないように作られたルールのようだが、これで本塁でのクロスプレーにまったく迫力がなくなった。打者が安打を放ち、走者が本塁へと突入していく。セーフか、アウトか、本塁ベース上での緊張の一瞬、その迫力はプロ野球の醍醐味の一つでもあるのだが、そこにコリジョンルールでは興ざめしてしまう。完全にアウトのタイミングでの走者の悪質な体当たりは良くないが、・・・
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週刊ベースボール