生活保護、更生中…「自立するには職場まで行く車が必要なのでは」 格安で車レンタルを始めた社長の気付き
自動車販売やレンタルなどを手がけるZETT(ゼット、長野県茅野市)は、生活困窮者らに格安で自動車を貸し出す事業を始めた。生活保護受給や更生中といった事情がある当事者の社会的な自立支援につなげる狙い。レンタル料はそれぞれの経済状況や貸し出し期間などを相談して決める。家庭内暴力(DV)被害といった緊急性が高い場合は無料で貸し出すとしている。 【写真】「これまで会社を地域に育ててもらった恩返し」と話す社長
ゼットの完全子会社で、就労移行や生活困窮者支援に取り組む事業所「Mirai」(ミライ、長野県諏訪市)の利用者らに、生活に欠かせない自動車を貸し出したり、自転車を無料レンタルしたりしてきた他、免許取得の補助を出したりして支援を進めてきた。
ゼットによると、ミライでは移動手段関係の相談が月5件程度寄せられていたが、相談先が分からないなどの理由から、自動車を必要としている人が潜在的にいるのではないかと想定。ゼットの新たな事業として一般にも希望者を募ることにした。
高橋純社長は「自立するには住居や働く場所の他、移動手段も必要。これまで会社を地域に育ててもらった恩返しに支援を進めたい」と話している。詳細はゼットのウェブサイトで。問い合わせは長野県諏訪市沖田の自動車部(電話0266・78・9025)へ。