2メートル以内のパットを99%入れる「ブレ」の活用とは? フックラインは「芯より先端側に」スライスラインは「芯よりもネック側」に構えるべし
『日本一“練習しない”プロが教える「科学的」ゴルフ上達法30』#4
パッティング上手になれる、ちょっとした工夫や考え方をプロゴルファーの堀川未来夢氏が教えてくれた! 【画像】フックラインの場合の構え方 『日本一“練習しない”プロが教える「科学的」ゴルフ上達法30』(KADOKAWA)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
先端側で構えるか、ネック側で構えるか
いつもショートパットが入らずにスコアを崩してしまうという方は必見です。 この方法を使うための条件としては、センターシャフトのパターを使うことです。センターシャフトとは、シャフトを釣ったときにフェースが真上を向くクラブです。 このクラブは真ん中にシャフトが通っているため、基本的に芯で当たればフェースはブレませんが、先端に当たってもネックに当たってもフェースはブレます。しっかり芯でとらえないとフェースがブレることから、センターシャフトは難しいと考えている方も多いのではないでしょうか。 しかし、このブレを利用すると、2メートル以内のショートパットが格段に入るようになります。その理論を解説していきましょう。 基本として芯で当たったときは、ヘッドスピードの速さに対してボールは同じ勢いで飛ぶので、一番よく飛びます。 これが芯を外れるとボールは弱くなります。真っすぐ当たるのがもちろん良いのですが、プレーするのが人間である以上、ブレは出てしまいます。 芯で構えたときに、先端側にブレるか、ネック側にブレるか、確率は50パーセントずつです。このブレを効果的に利用するのが、2メートル以内のパットを確実に入れる必勝法です。
フックラインの場合、ブレるならネックではなくトゥ側に
まずはフックラインの場合の話をさせていただきます。 フックラインの場合、ネックに当たってしまうと、絶対に入りません。芯を外しているのでボールの勢いは弱くなり、ネックに当たるということはフェースもかぶっています。こうなると、出球が浅くなり、左に切れていってしまうので、絶対に入らないのです。 逆にフックラインは先端部に当たると入る確率は上がります。先端部で当たるとフェースが少し開くため、ボールは右側に出ます。芯を外してボールの勢いは弱いので、フックラインに沿っていつもより曲がります。 芯で構えて芯で打てれば思い描いた通りのラインで入りますが、ブレるならネックではなくトゥ側です。トゥ側に当たると思ったラインより深くなりますが、ボールは勢いがなくて曲がるので、入りやすくなります。 この理論がわかれば、フックラインの場合は、当たるのは芯でもトゥ側でもいいと考えることができます。ネックに当たるのは避けたいので、フックラインで構えるときは、芯で構えるのではなく、少し先端寄りにズラして構えます。 芯より先端側にズラして構えておけば、もしも少しブレてネック側に当たったとしても、芯に当たるだけなので思った通りのラインで入ります。さらにトゥ側にブレたとしても、フェースがさらに開いてボールはさらに弱くなるので、結局入ります。 つまり、フックラインのショートパットのときは、芯よりも先端側で構えるようにすると、構えたところで当たっても、ネック側、先端側のどっちにブレても入るというわけです。 スライスラインの場合は逆に考えます。芯よりもネック側で構えれば打った瞬間に少しフェースが閉じるので、ボールは左に出ますが、芯を外して勢いが弱い分、ボールはスライスに曲がっていきます。 まとめると、フックラインの場合は芯より先端側にズラして構え、スライスラインの場合は芯よりもネック側で構えます。芯で構えてもテイクバックで上げたら、打つときにどっちにズレるかは50パーセント。保険をかけてあらかじめ芯よりズラして構えることで、芯か先端部、芯かネックというふうに、どちらにズレても入るような構え方にします。 この考え方を理解したうえで、センターシャフトを使えば、2メートル以内のショートパットが入る確率は格段に上がります。 短い距離のパットを確実に入れられるようになれば、アプローチで突っ込んだり、セカンドショットでグリーンを外しても大丈夫と思えたりするので、ゴルフ全体の循環が良くなっていきます。 文/堀川 未来夢 サムネイル画像/shutterstock