DeNA・森唯斗 [写真＝萩原孝弘]

　DeNAは今永昇太がポスティングシステムを利用してメジャーリーグ挑戦を目指し、長年ブルペンを支えてきたエスコバーが自由契約、今季から加入したバウアーは去就が不透明で、石田健大はFA権を行使した。投手陣の入れ替わりが進んでいく中で、DeNAは今オフ、前ソフトバンクの森唯斗、前オリックスの中川颯、現役ドラフトでロッテ・佐々木千隼を獲得するなど、パ・リーグ出身の投手が来季、カギを握りそうな予感だ。 　現役ドラフトでDeNAに加入する佐々木は5球団競合の末、16年ドラフト1位でロッテに入団し、5年目の21年に54試合、8勝、26ホールド、1セーブ、防御率1.26の成績を残し大ブレイク。昨季は23試合の登板で防御率6.39と成績を落とし、今季は一軍登板は僅かに2試合だった。それでも、シーズン最終盤の9月に大谷智久二軍投手コーチから“シュート”を教わり、ファームで9試合・9イニングを投げて、防御率0.00と抜群の成績を残した。シュートを投げるようになってからストレートの球速も上がり、ファームで佐々木の球を受けていた松川虎生もそのボールを絶賛したほど。これまでのパ・リーグからセ・リーグの球団へ移籍して再ブレイクの期待がかかる。 　森は18年に最多セーブのタイトルを獲得するなど、プロ通算470試合に登板し、25勝27敗105ホールド、127セーブ、防御率2.94の実績を誇る。先発に転向した今季は一軍6試合の登板にとどまったが、ファームでは12試合・64回1/3を投げて、5勝5敗、防御率1.54。12月1日に行われた入団会見では「絶対に1年間一軍で投げ続けること、そしてチームの優勝というのが自分の中での一番の目標です。野球ができるチャンスをくださったベイスターズには本当に感謝していますし、腕がちぎれても良いくらいの気持ちを持って死ぬ気で投げます」と並々ならぬ覚悟を持って新天地で挑む。 　今季はオリックスで育成選手としてプレーしていた中川は、投手陣の層の厚いオリックスで支配下選手登録復帰は叶わなかったが、来季からプレーするDeNAでは再び支配下選手としてプレーする。今季はファームで21試合に登板して、防御率1.38と安定した数字を残しており、新天地となるDeNAで大ブレイクにも期待がかかる。中川は11月29日に行われた入団会見で「自分は変則投手ではありますが、ストレートの強さが持ち味だと思っています。1998年以来の優勝に貢献できるように頑張りますので、熱い声援お願いいたします」と決意を述べた。 　さらに育成選手ではあるがソフトバンクを戦力外となった九鬼隆平捕手もDeNAでプレーする。今季は昨季楽天からトレードで加入した森原康平がシーズン途中に抑えに配置転換し、46試合に登板して2勝1敗10ホールド、17セーブ、防御率2.32と活躍している。佐々木、森、中川も、パ・リーグからセ・リーグ球団へと環境を変えて、新天地で花を咲かせることができるか注目だ。