本業があるからこそ好きなことができる(滝川徹 時短コンサルタント)
■天職に終わりはない。本業は仕事と割り切ればいい。
エリザベス曰く、書くことは7~10年の間は純粋に天職だったと言います。彼女は天職を続けるために仕事をいくつも掛け持ちしていました。書く時間を確保するためにキャリアもあえてもたなかったと言います。 その後、雑誌でライターをすることになり、書くことは仕事になりました。作品が売れると書くことはキャリア(小説家)になりました。キャリアである以上、ただ書くことだけでなく、読者の反応や本の売れ行きなども気にしなくてはならなくなります。 キャリアと天職の違いは、キャリアにはいつか終わりがくるということです。本が売れなくなるかもしれない。そもそも出版業界がなくなるかもしれない。でも、天職に終わりはない。そう彼女は説きます。 彼女は小説家としてキャリアが終われば、再び仕事に就いて、書くこと(天職)を続けるというのです。天職とは、そうして死ぬまで全うするものだと彼女は言うのです。 彼女は話の最後に「仕事やキャリアがあるから好きなことができないというのは間違っている」と言いました。小説家になりたいからといって、仕事をやめて家族をがっかりさせなくてもいい。仕事を続けながら小説を書き続ければいい。そう説いたのです。 この話を聞いて私は「本業は仕事と割り切ればいいんだ!」とふっ切ることができました。それまで私は「仕事とは情熱をもって取り組まないといけないもの」と思い込んでいました。 しかしセミナー業や執筆と同じような情熱をもって、本業に取り組むことができませんでした。その結果、本業に時間を使うことが人生の無駄な時間のように感じていたのです。 しかし本業は仕事であり、あくまでお金を稼ぐ手段。そう割り切るようになってから、本業に費やす時間にも意味を見出せるようになりました。本業があるからこそ、自分が好きなこと(セミナーや執筆)ができる。そう感じるようになり、むしろ本業に感謝するようにすらなったのです。 さらにその後わかったこと。それは、フリーランスや成功している人たちでさえ、好きなことだけやって生きている人はまずいないということです。