JR西、運賃値上げせず 「現状、申請する状態ではない」 JR東や私鉄などは値上げ
JR西日本の長谷川一明社長は18日の定例会見で、運賃値上げについて「現状では申請する状態ではない」と否定的な見解を示した。 運賃改定を巡っては、JR西は来年4月1日から、京阪神エリアの旧国鉄時代から続いていた運賃区分を一本化するが、全体での運賃収入は見直し前と同水準としている。一方で、JR東日本は12月、令和8年3月から全域を対象とした平均7・1%の運賃の値上げを国土交通省に申請したと発表。私鉄でも値上げ申請が相次いでいる。 長谷川社長はJR西での値上げについて「当然(人件費や原材料価格の高騰など)コストプッシュはあるが、それは自分たちの中で吸収しなくてはいけない」と説明。「運賃に転換できるような状態には、計算上ではまだなっていない」との見解を示した。 会見ではそのほか、11年度に北陸新幹線の敦賀-金沢間で、運転士が乗った状態での自動運転の導入を検討していると発表。発車は運転士の手動操作で、運転中の速度制御や停車は自動で行う。JR西は山陽新幹線でも、2030年代に同水準の自動運転を導入する方針を示している。