「大変な1年だった」熊と戦い続けた20代のマタギが語る「異常」 問題は人間にある「それだけ自然から遠のいたということ」
現在は「もりごもり」の屋号でクロモジという植物からお茶を作っている。「山のめぐみから収入を得て、また山に行く」というマタギらしいライフスタイルを実践することで「本業マタギ」の復活を夢見る。 そしてマタギに限らず、人と自然の関わりを取り戻すのが大事だと強調する。よく使われる「自然との共生」という言葉は、益田さんに言わせれば当たり前のこと。 「それが価値を持ってしまうほど人が自然から遠のいてしまった」 昨年、クマのニュースが大きく扱われたのも「クマは元からいるのに見えていないだけ。僕らにとっては日常です。共生はもうしているんですよ」と言い切る。移住希望者のコーディネーターも務める益田さんは、最後にこう言って笑った。「悩める若者は阿仁に来ればいい。天気が良ければ釣りに行き、雨の日は家で酒を飲みながら本を読む。自分の中の何かが大きく変わると思いますよ」