【40歳以上の初サブスリー達成術⑤】初マラソンから5年「30kmではなく “35km地点”」を意識して壁を破ったママさんランナー
2023年度に達成したのは全完走者の3.6%(全日本マラソンランキングより)で、多くのランナーにとっての憧れとなっているサブスリー。本連載では、そのサブスリーを40歳を超えてから初めて成し遂げたランナーを紹介しています。 今回は2023年の東京マラソンで2時間58分41秒を出し、念願のサブスリー達成を果たした水谷美紀子さん(44歳)です。
水谷美紀子さん(みずたに・みきこ) 1980年生 44歳 会社員 サブスリーを達成した大会とタイム:2023年東京マラソン(2時間58分34秒)
マラソンに関する知識は皆無な中、大阪マラソンにエントリー
水谷さんが走り始めたのは38歳のとき、初期の乳がんが見つかり、人生を見つめ直したのがきっかけだった。 「母子家庭で24歳のときから子育てと仕事に明け暮れていたので、これからは好きなことをしようと思いました。親友が別の分野で好きなことを始めたのに影響を受け、私は子どもの頃から好きだった走ることを選びました」 当時水谷さんは、マラソンに関する知識は皆無。「まずはレースを走ってみよう」と突然大阪マラソン(2018)にエントリー。練習らしい練習はせず、シューズも前日のEXPOで購入したものをはいて走り、4時間19分だった。 「30km過ぎでボロボロになりました。練習していないから当然なのに、悔しくて悔しくて……。その後、週45kmほど走るようになり、2019年2月の泉州国際マラソンでは3時間47分13秒(ネット:3時間42分25秒)を出しました。そのとき、ジョギングだけでこのタイムが出るなら、サブスリーも簡単では!? と恐ろしい思いを抱いてしまいました(笑)」 こうしてマラソンに熱中した水谷さんは、サブスリー達成を目標に、大阪の長居公園で水曜日と日曜日に開催している練習会に参加するようになり、練習会以外は週に2回ジョギングし、月間200km走るようになった。そして2019年10月の金沢マラソンでは3時間16分54秒を出したが、「サブスリー達成は簡単かと思ったけど、とんでもないわ……。このままの練習メニューでは実現できない」と感じるようになった。