おむつ、食べちゃダメ!〈50代娘〉の悲鳴…年金月15万円〈84歳の母〉は認知症、介護に限界も「老人ホーム」は躊躇のワケ
「親の老い」、そして「親の介護」は誰もが直面する大問題。そこに「認知症」がプラスされると、さらに負担は重くなります。大切な家族とはいえ、頑張りすぎると「親子共倒れ」という悲劇が……みていきましょう。 【早見表】年齢別生存率…男女別0~100歳まで
80代になると4人に1人は「要支援・要介護」
厚生労働省『令和3年度介護保険事業情報報告(年報)』によると、65歳以上の要支援/要介護認定者は全国で677万人。男女別にみると男性が211万人、女性が465万人と、平均寿命の長い女性のほうが要支援・要介護認定者は多い傾向にあります。 年齢別に要支援・要介護認定者の割合をみていくと、「70歳未満」では2.7%、「75歳未満」では5.6%、「80歳未満」では12.2%、「85歳未満」では25.8%、「90歳未満」では47.8%、「90歳以上」で75.4%と、年齢が上がるごとに増えていきます(図表)。 また地域別に65歳以上人口に対し、要支援・要介護認定者の割合をみていくと、最も割合が高いのが「大阪府」で22.02%。一方で最も低いのが「茨城県」で15.52%。同じ日本でも1位と47位で7ポイント近くの差が生じています(関連記事: 『都道府県別「高齢者の要介護率」ランキング』 )。 【都道府県別「65歳以上の高齢者における要介護率」上位5】 1位「大阪府」22.02% 2位「和歌山県」21.99% 3位「京都府」21.26% 4位「愛媛県」20.84% 5位「島根県」20.79% 80代にもなれば4人に1人は日常生活に不自由を感じるようになる、それが年を重ねることの現実であり、誰もが「親の介護問題」に対して、他人事ではいられません。 厚生労働省『令和3年社会生活基本調査』によると、ふだん家族を介護している介護者(15歳以上)は、653万人。男女別にみると、男性が256万人、女性が396万人と、女性が介護者全体の約6割を占めています。また年齢別にみると、介護者数が最も多いのは50代で183万人。人口に対して介護者が多いのは60代で11.7%。10人に1人以上が家族の誰かを介護しています。 【年齢別「介護者数」と人口に占める割合】 ~20代:24.7万人(1.4%) 30代:29.5万人(2.1%) 40代:80.5万人(4.5%) 50代:183.6万人(10.9%) 60代:175.1万人(11.7%) 70代~:160.1万人(6.3%)