「結局、純也くんが…」スタッド・ランス、中村敬斗が吐露した本音。先輩よりも存在感を放つために「自分はもう…」【コラム】
⚫︎「正直、少ない」「試合に出るのはマスト」
チームはその後、1点を追加して2-0で日本ツアー初勝利を飾ったが、「なんだかんだ試合決めるのはやっぱ純也。今日も結局、純也君がドリブルでぶっちぎってアシストしてるから」と中村は本音を吐露。「自分がチームを勝たせられる存在にならないといけない」という強い思いを抱いた様子だ。 スタッド・ランス移籍1年目だった昨季の中村はリーグ・アンで25試合出場4得点。昨年10月のカナダ戦(デンカビッグスワンスタジアム)で左足首を負傷して約1カ月半離脱したのに加え、1~2月のAFC アジアカップ カタール 2023参戦の影響で後半戦もスタメンから外れた時期もあっただけに、悪くない数字と言えるだろう。 けれども、本人は「4点は正直、少ない」と納得していない。「4点は間違いなく上回らなきゃいけない。スタメンでコンスタントに試合に出るのはマストだと思うんで、競争もあるけど、早めに点を取って昨年を超えたいですね」と目をギラつかせたのだ。 7月28日に24歳の誕生日を迎え、「自分はもう若手ではない」という自覚を持ったことも、高い領域を目指す原動力になっている。
⚫︎「もっともっと追求していきたい」絶対的な主軸になるための自覚
「24って中堅に足を入れた感じがしてる。27、28くらいまでが中堅で、そこからはベテラン。23も別に若手とは思っていないんですけど、今までは『まだ若い』という感覚だったから」と1歳年齢を重ねたことでマインドも変わりつつあるという。 「だからこそ、今季は個人として結果にフォーカスすることも大事ですけど、もっとチームのことを考えて、チームの勝利をもっともっと追求していきたいですね」と本人は語気を強めた。 実際、スタッド・ランスは若い選手を育てて売ることに主眼を置くクラブ。この日のスタメンにも20歳以下が3人いて、後半から出てきたメンバーは2004~2006年生まれの選手が多かった。 そういう環境下だけに、2000年生まれの中村は紛れもなく中堅。フランス1年目の昨季は先輩・伊東に引っ張ってもらう部分が少なくなかったが、今季は本当の意味で「絶対的主軸」にならなければいけない。 スタッド・ランスは昨季は9位でフィニッシュしているが、シーズン序盤は上位争いを展開。UEFAヨーロッパリーグの出場圏内も狙えたはずだった。ゆえに、「今季こそ」というチーム全体の意気込みは高まっている。中村はそのけん引役として、つねに異彩を放ち続けることが肝要なのだ。