<甲子園交流試合・2020センバツ32校>鶴岡東、勝利もぎ取る 堅い守り、随所で光る /山形
2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は第5日の16日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、昨秋の東北大会で準優勝した鶴岡東は、昨秋の北信越大会準優勝の日本航空石川(石川)を5―3で降した。前身の鶴商学園以来41年ぶりの出場を決めていた今春のセンバツに代わる大舞台で、3年生12人が出場し、全力プレーで勝利をもぎ取った。【上鵜瀬浄】 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら 一回、早くも中軸が、相手の嘉手苅浩太(3年)の速球をとらえて先取点を奪った。昨夏の甲子園で2勝したチームでレギュラーだった山路将太郎が先頭で中前打で出塁した。1死後、馬場和輝が嘉手苅の143キロを左中間に運び、適時二塁打とした。 その後は苦しい場面が続いた。直後の一回に2死無走者から3連打で逆転を許す。二回は2失策も絡んで1点を失った。なおも無死二、三塁のピンチは、背番号「18」の変則下手投げ左腕で鶴岡第一中出身の阿部駿介が切り抜けた。 スタンドではユニホーム姿の仲間が拍手で盛り上げ、2点差をものともしない。三回は相手の失策に乗じて2死満塁とし、吉田陸人が2打席連続の中前打で2者が生還し、追いついた。9日の東北大会1回戦で代打本塁打を放った吉田が、またも勝負強さを発揮した。 その後は昨秋の公式戦8試合でわずか失策2の堅い守りが随所で光った。三回には阿部がはじいた打球を、遊撃手・小林三邦が反応良くさばいてアウトにする。阿部も時折、上からスローカーブを投げて相手打線を惑わせたり、絶妙のけん制球で仕留めたりした。 すると五回は、2死から馬場の左前打を足場に暴投で1点を勝ち越した。速球派の嘉手苅を五回でマウンドから降ろした。 六回も守備がさえる。1死二塁からの投ゴロで阿部が二塁走者をアウトにし、2死二塁からの左前打にも左翼手・吉田の好返球で本塁で刺した。 そして八回1死から吉田が、一塁手強襲の二塁打で出塁した。小林が中堅への二塁打で続き、貴重な追加点を挙げた。 東北大会1回戦で完投した庄内町立立川中出身のエース右腕・太田陽都(はると)が八回からマウンドに登った。九回2死満塁のピンチを招いたが、二塁手・山路が一、二塁間の抜けそうなゴロを横っ跳びで好捕して打者をアウトにした。守り抜いて勝ちきった。 ……………………………………………………………………………………………………… ▽第3試合(16日) 鶴岡東 102010010=5 210000000=3 日本航空石川