尹大統領 拘束令状の執行控え「最後まで戦う」=衝突懸念
【ソウル、果川聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の内乱容疑について捜査する独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が、早ければ2日にも尹大統領に対し拘束令状を執行することが予想される中、尹大統領がこれに応じない姿勢を示したことで、両者の物理的な衝突への懸念が高まっている。 公捜処は先月31日に令状の発付を受けた後、これを混乱なく執行するための準備を進めている。 大統領警護処や大統領公邸の近くで集会を開いている尹大統領の支持者らが執行を阻止する可能性にも備えているという。 尹大統領は1日午後、公邸前に集まった支持者らに対し、「国内外の主権侵奪勢力と反国家勢力の動きにより、今、韓国が危険だ」とし、「私は皆さんと共にこの国を守るために最後まで戦う」とするメッセージを伝えた。 公捜処の呉東運(オ・ドンウン)処長は1日午前、メディアを通じ「厳正な法執行はするものの、礼儀は守るので、公捜処(の法執行)に応じることを願う」と尹大統領側に呼び掛けていたが、事実上拒否された格好だ。 尹大統領の弁護団に加わっている尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は2日午前に出したコメントで、「万一、警察機動隊が物理的衝突を防止するための警備活動を超え、公捜処に代わって拘束・捜索令状の執行を行うなら、職権乱用および公務執行妨害罪の現行犯で警護処はもちろん市民の誰にでも拘束される可能性がある」と主張した。 これは警護処や支持者に対し、警察などによる令状の執行を阻止するよう呼び掛けたものとの批判が出ている。 尹大統領の所在を確認するため拘束令状とともに発付された捜索令状についても、軍事上、機密保持を必要する場所については家宅捜索が制限され、公務員が職務上扱う機密情報については押収が制限されることなどが盛り込まれた刑事訴訟法第110条・111条が適用外と記されたことに、尹大統領側は反発している。令状を発付する判事には同法の適用範囲を判断する権限がなく、無効であり、同令状を執行するのは適法ではないという立場を示している。 これについて公捜処の関係者は、該当の条項は家宅捜索や押収に関するものであり、人の捜索を行う今回の令状に適用されるものではないことを確認したに過ぎないと指摘した。 現職大統領に対して拘束令状が請求・発付されたのは初めてだが、元大統領を含めても、令状の執行を拒否した例はない。 大統領退任後に拘束された盧泰愚(ノ・テウ)氏、全斗煥(チョン・ドゥファン)氏、朴槿恵(パク・クネ)氏、李明博(イ・ミョンバク)氏はいずれも令状の執行に応じた。 尹大統領と同様に内乱容疑で拘束された全斗煥氏のケースでは、検察は衝突が生じる可能性に備えて検察と警察合わせて約1000人を投じて令状を執行したが、特別な衝突はなかった。
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