田崎史郎氏「悪い言い方かもしれないが…」自民の「公開方法工夫支出」断念は「野党へのまき餌」
政治ジャーナリスト田崎史郎氏は17日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、政治資金規正法改正案をめぐり、自民党が新設を検討していた「公開方法工夫支出」を断念し、野党が一致して求めている政策活動費の全面廃止に応じた動きについて「悪い言い方かもしれないが、野党に対する『まき餌(え)』のような効果を果たしたのでは」と指摘した。 当初自民党が新設を検討した「公開方法工夫支出」は、外交上の秘密が必要な場合、政治資金の支出の一部を非公開にできる内容だったが、野党は「新たなブラックボックスになる」と反発。少数与党で野党の協力なしに法案審議が進まない中、自民党は16日、野党が提出した政策活動費の廃止法案に賛成する方針に転じた。一方、自民党が譲らない企業・団体献金に関しては、廃止するかどうかを来年3月末までに結論を得ることになった。 田崎氏は16日の自民党の対応について「公開方法工夫支出って、なんか、よく覚えられないんですが」と苦笑しながら「最初から外すつもりで入れ込んでいたと思う。野党の反発を受けて引っ込めた感じですが、昨夜、関わった(自民党の)3人に取材したら『少数与党でやっているのでしょうがないですよね』とサバサバしていた」と述べた。 その上で、自民党の対応に関して「悪い言い方かも知れないが、野党に対するまき餌のような効果を果たしたのではないか。釣りをやる時にえさをまくが、それに魚はグッと寄ってくる。野党の批判覚悟で出しておいて、最後は自民党が引くことで、法案はほとんどが成立する形になった」との独自の見立てを示した。 一方、火曜コメンテーターで元フジテレビアナウンサーの菊間千乃弁護士は「そうなんだと思いました」と田崎氏の取材に舌を巻きつつ「でも、もともと政策活動費の廃止は政治とカネの問題で国民の不満から始まっている話。この期に及んで『公開方法工夫支出』とか言い出している自民党に、(国民は)何も分かっていない、とものすごく怒りを持った」と述べた。 「野党にはそれでいいのかもしれませんが、国民は『(自民党は)全然分かっていない』という印象を受けてしまっていると思う」とも、主張した。