頼清徳総統、労働部職員の自殺巡り謝罪 「あらゆる職場いじめを撲滅」/台湾
(台北中央社)労働部(労働省)労働力発展署北基宜花金馬分署の男性職員が自殺した問題で、頼清徳(らいせいとく)総統は20日、自身のフェイスブックで男性職員の家族と影響を受けた関係職員に謝罪の意を表明した。併せて、職場文化の改善と職場におけるあらゆる形のいじめの撲滅に政府として取り組んでいく姿勢を示した。 男性職員は4日、北部・新北市内の庁舎で亡くなっているところを発見された。労働部は19日、自殺の主な原因は業務過多だったとする調査結果を発表。SNSなどで指摘されていた謝宜容(しゃぎよう)分署長による職場内いじめについては「管理の仕方や感情コントロールに確かに不適切な点があった」としつつ、自殺の直接的な原因ではないとの認識を示していた。 頼総統は、政府には職場文化の改善を率先して行う責任と決意があると説明。全ての職員が政府機関の重要な人材だとし、政府の各機関が職場いじめの調査や労働時間、人材配置の改善などに関する検証や見直しを全面的に行い、職員一人一人への配慮や保護を強化するとした。 責任者の処分を巡っては「軽すぎる」との批判の声が上がっている。謝分署長については19日時点で異動と降格処分が発表されていたが、労働部は20日に開いた審査会で免職処分を決めた。蔡孟良(さいもうりょう)署長の降格と、男性職員の直属の上司だった副分署長や秘書室主任への懲戒処分も決定した。 謝分署長は20日、謝罪声明を発表した。労働部の調査では男性職員の自殺は自身の行為とは関係ないとされたものの、分署長として適切な支援を提供できなかったことは確かで、責任を逃れることはできないとし、職員や家族に対して「厳粛な謝意」を表明。自身の不適切な感情コントロールや過度な要求、問題発生後の職員への対応などが職員にストレスを与えたことにも謝罪するとした。 (温貴香、張雄風、楊淑閔/編集:田中宏樹)