イエスと言わせる「言葉のレシピ」 佐々木圭一さんに聞く
リアルなコミュニケーションで気をつけること
── デートの例を出してらっしゃいましたけど、コミュニケーションって、リアルなコミュニケーションとデジタルなコミュニケーションって2つありますよね。こうやって顔を合わせて話をする場合と、メールでメッセージを伝える場合とあると思うんですよ。書籍の中ではデジタルなコミュニケーションに関しては、感情30%増しで書いたほうがいいよと。 佐々木:そうですね。 ── だから、デート誘うのにメールでやるんであれば、その流儀にのっとればいいと思うんですけど、リアルにこうやって顔を合わせて話すときってどういうとこに気を付ければいいんでしょう。 佐々木:まず、なぜメールだと30%増しかという話からすると、テキストデータで送ることになりますよね。つまり、デジタルデータになって相手のところに届くんですけど、自分が思ってる以上にシンプルなテキストだと、相手に冷たく伝わっちゃうんですよ。例えばメール、皆さん、受けとったときになんかあっさりしてるな、このメールとか、なんか冷たいな、みたいなふうに思うメールが届くことがあると思うんです。でも、相手はそこまでなんか、冷たくしようと思ってないし、あっさりさせようと思ってなくて、時間がないからストレートに書いてぽんと送っちゃう。 でも、そうすると受け手にとってみたら、なんか私、もしかしたらそんなに好かれてないかもっていうふうにもう、思われてしまうことが結構あると思うんですね。なぜかっていうと、感情がデジタルデータはもう、まったく乗らないで届いてしまうので。どうすればいいかというと、自分自身の感情をそのシンプルなものにもうちょっと乗っけてあげて。 例えば、相手にもよりますけどびっくりマークをちょっと付けてあげるとか、少し自分の感情を入れる、そんなワードを入れる、びっくりしましたって言ってあげてもいいし、ちょっとうれしくてほっぺたが赤くなっちゃいます、みたいな、そういうようなあえて自分の感情をプラスした言葉にして30%ぐらいで送るとちょうど自分が伝えたいぐらいになるっていうことなんですよ。 あともう1つ、リアルのコミュニケーションでどうすればいいかっていうポイントですが、リアルなコミュニケーション、難しいと思います。僕自身も今、研究中ではあるんですけど、いきなりリアルのコミュニケーションで、じゃあうまく伝えられるようになるかっていうと、実は難しいと僕は思います。 僕がまず、これも講演でよく質問受けるんですけど、お答えしているのがそれこそテキスト。例えばメールだったりLINEだったり、そういうSNSなどを通じて伝えるときにこの技術っていうのは1回使ってみてくださいと。なぜそれがいいかっていうと、送る前に1回考えた上で、送信ボタンを押せるので、反射神経が必要ないんですよ。そのときって。でも、リアルだと反射神経が必要になってくるので。 で、反射神経どうやって付ければいいかっていうと、やっぱりもう、練習なんですよね。おっしゃってたように。練習の仕方としては、日々のメールだったり、SNSを通じて送る文章を、例えばギャップ法っていうものを使いたいんだったら、それをずっと使ってみるっていうのをやっていただくと身に付いてくる。 で、料理とすごい似てるなって僕は、その練習については思っていて。じゃあ、いきなり、おいしいチャーハンのレシピがあったとして、1回目にすごいおいしいのができるかっていうと、まあ、おいしいのはできるけどちょっと失敗しちゃったりすることもありますよね。だけど、3回チャーハン作ったら、なんか携帯で電話しながらでも4回目はできるかもしれないし、1回目ほどは時間かからずに手早くおいしいものを作ることができると思います。それと同じようにコミュニケーションもそのレシピにのっとった形で作ってもらえると、自分自身に身に付くし、もっと言うとリアルの対面での話とかでもだんだん使えるようになってきますね。