何が飛び出るかわからない“金本阪神劇場”!
“ピッチャーが走った後は、失点する”のジンクスが、的中してしまい、6回には、ビシエドに勝ち越しタイムリーを許した。だが、“金本劇場”にかき回された中日も無死一塁から大島がバントに失敗すると、続く荒木にもバントを命じる“高校野球戦術“を取るほど必死だった。 開幕戦は2-5の黒星発信となった。 だが、試合後の金本監督は、上気した表情で、こうまくしたてた。 「開幕にかける意気込みをメッセが見せてくれたね。盗塁が、その象徴。精神を見せてくれたよね。三塁まで行ったしね。みんな全力で、横田も走ったし、剛(西岡)も疾走した。目いっぱいのプレーをしてくれた。いつもいつも攻め続ける野球は、逆手に取られたりして、いいところばかりではないが、失敗しても読まれてもいい。外されてもいい。僕が恐れたら、選手も恐れるからね」 そして、初指揮の心境を吐露した。 「緊張感は、正直あった。消極的になる自分が怖かったが、矢野コーチの助けもあってアグレッシブに行けた」 金本監督の隣にいた矢野作戦兼バッテリーコーチがサインを出した。“矢野コーチの助け”が、どのサインを示すのかはわからないが、攻めて、攻めて、攻めまくった戦術は、矢野コーチのアドバイスがあったことは事実なのだろう。 “金本劇場”は勝ち負け抜きに面白かった。 満員札止めの京セラドームを、歓声とどよめきが、何度も何度もこだました。 これが特別な開幕戦だからなのか、この後、負け続けても承知できるのか。そのファン心理はわからないが、“超革命”のスローガンに嘘はなかった。 「目いっぱいやったので、負けたが、いいものを見せてもらった。これを1年間、見せて欲しい」。金本監督は、そう会見を締めくくった。「いいものを見せてもらった」のは虎ファンの気持ちだろう。