長崎北陽台、2回戦敗退…大阪桐蔭に12-44 第104回全国高校ラグビー大会
第104回全国高校ラグビー大会第3日は30日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で2回戦16試合が行われ、長崎県代表の長崎北陽台はAシードの大阪桐蔭(大阪第1)に12-44で敗れた。 長崎北陽台は前半に3トライ(1ゴール)を許すと、後半も20分までに4トライ(2ゴール)を追加された。23分にFB山口幸がクロスバーの跳ね返りをキャッチしてトライ(ゴール)を決め、ノーサイド直前にもロック田﨑凛がラックサイドを突破してトライを追加したが、それまでの失点が大き過ぎた。 この日は大阪桐蔭をはじめ、シード13校が登場。このうち、中部大春日丘(愛知)、目黒学院(東京第1)のBシード2校が初戦で敗退した。同じくBシードの大分東明も高鍋(宮崎)と26-26で引き分けたが、抽選で3回戦に進んだ。 第4日は来年元日、同ラグビー場で3回戦8試合を実施する。 ◎高かった選抜王者の壁 春の選抜王者の壁は予想以上に高かった。長崎北陽台はAシードの大阪桐蔭(大阪第1)に12-44で完敗。品川監督は「純粋に強かった。接点が強く、思ったようなリズムでボールを出させてもらえなかった」と潔く敗戦を認めた。 チームが大事にしてきた「試合の入り」の失点が痛かった。2分に連続攻撃を止められずに先制トライを許すと、前半だけで3トライを奪われた。挑戦者として勢いづきたかった序盤の攻防で、逆に王者に余裕を持たせてしまった。 エリアマネジメントも敗因だった。品川監督が「うちはロングキッカーがいないので、自陣で戦わざるを得なかった」と振り返ったように、なかなか敵陣に入れなかった。接点の強さ、バックスの展開力ともに高いレベルで備えてはいたが、大阪桐蔭のそれは挑戦者を上回っていた。 そんな状況でも、選手たちは諦めなかった。23分にCTB新垣の突破からFB山口幸がチーム初トライを決めると、ノーサイド直前に高校日本代表候補のロック田﨑凛がラックサイドを突破してトライ。試合後、田﨑凛は「もうプライドだった。取り切れなかったら悔いが残ると思った」と真っ赤に染まった目で胸を張った。 昨季からの主力が多数残った今季は「全国制覇」を掲げて始動した。だが、全国での組み合わせに恵まれずに、選抜大会は1回戦、そして今回は2回戦敗退に終わった。主将のロック下田が涙をこらえながら言葉をつないだ。「このメンバーでラグビーをできるのが、これで終わりというのが一番寂しい…」。力があるチームの早過ぎる敗戦だった。