50代前半の会社員です。がんに備えておきたいのですが、今からでもがん保険には加入できますか?
今日では、「2人に1人はがんになる」といわれています。しかし、がんは「長生きによる病気」といってよいほど、高齢になるにつれて罹患(りかん)率も高くなります。 50代になって「自分もがんになるのではないか」と不安を感じ、がん保険への加入を考える人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、がん保険について考えていきます。
治療支援型など種類が多様に
がん保険といえば、がんと診断されれば診断給付金が出るものや、がんの治療で入院したときに入院給付金、退院後の通院時に通院給付金が出るものが、今までは主流だったといえます。しかし、最近は保険会社各社が多様ながん保険を販売するようになりました。特に、最近の医療制度に合った保障内容になっている傾向があります。 例えば、医療技術の進歩や医療制度では、がんとはいえ入院日数が短期化している傾向にあります。 入院すれば無制限で入院給付金が出ることの多かった従来のがん保険と比べ、最近のがん保険では、治療に対して給付金が出る「がん治療支援型」が増えています。従来のがん保険と、この治療支援型とは何が違うのでしょうか。 両者の一番の違いは、主契約の対象が違うものになります。従来のがん保険は、「診断給付金を主契約として、入院給付金や通院給付金などその他の給付金を特約としてつけていく」という内容のものになります。 一方で治療支援型は、がんのための治療を行ったときに給付金が出るものを主契約として、診断給付金や入院給付金などは特約としてつける、というものになります。
がん保険は、がんを治すためのものではない
がん保険に限らず、保険に入るときに「大病を患うことに不安があるから、保険に加入する」「がんにかかるのが不安だから、がん保険を考えています」という意見を聞くことがあります。しかしそもそも、保険は病気を治すために入るものではないので、こういった考え方には違和感があります。 保険は、リスクマネジメントの考え方では「リスク転嫁」に当たります。具体的には、病気やけがをしたときの、経済的な損失の軽減や資産の保全が目的となります。上記のような「病気に対して不安があるから」といった考え方は、リスクの転嫁ではなく回避や軽減に近いものなのかもしれません。 例えば、がんの治療には放射線治療などがありますが、健康保険適用外の治療法として「重粒子線治療法」というものもあり、がんの治療に効果的だといわれています。この治療法は、受けられる医療機関も限られているという点や、健康保険適用外の先進医療となる点から、自己負担が約300万円と高額になります。 さらに「自由診療」という治療法を選択する人もいます。この自由診療も健康保険適用外となり、自己負担が高額になるケースもあります。このような高額な医療費に対しては、保険に加入しておくことで、自分の資産からお金を出さずに保険金から医療費を支払い、経済的な損失を回避することができます。