『おむすび』“社会人編”は前途多難な幕開けに 聖人と愛子の夫婦喧嘩にまで発展
神戸栄養専門学校を卒業し、恋人の翔也(佐野勇斗)が所属する星河電気の社員食堂で栄養士として働くことになった結(橋本環奈)。希望に胸を膨らませて職場へと向かうが、思わぬ扱いを受ける。NHK連続テレビ小説『おむすび』第12週から始まった「社会人編」は、前途多難な幕開けとなった。 【写真】橋本環奈(結)、食堂で一悶着? 「うちに栄養士なんかいらん」と開口一番に驚愕の一言を放ったのは、社食の責任者である立川(三宅弘城)だ。結が立川と顔を合わせるのはこれで2度目。初対面の時に「べっぴんさん」と褒め、気さくな態度で接してくれた立川の一転したふてぶてしい態度に結は驚く。ただ、立川は結が気に入らないというわけではなく、栄養士を雇うこと自体、元から反対だった。 しかも、それを提案したのが、自分の好きな阪神ではなく、巨人に入団した澤田(関口メンディー)というところがより一層鼻につく立川。理不尽にも目の敵にされた結は献立を考えるどころか、他の仕事もまともに教えてもらえないまま、初日を終えた。みんなが働く中、手持ち無沙汰になっている結にこちらまで胃がキリキリしてくる。 一方で常に食堂は慌ただしく、雑用だけでもクタクタな結。気疲れもあるだろう。新人あるあるかもしれないが、それにしても結の状況はかなり辛い。立川以外の食堂メンバーも決して悪い人たちではないが、基本的に無関心。その中でも唯一、頼れそうなのは調理師の原口(萩原利久)だろうか。放置されている結を気遣い、何かしらの仕事を任せてくれる姿から優しい人であることは伝わってくる。しかしながら、そんな原口も面と向かって立川に意見できる関係性ではなさそうだ。 そんな状況でも、結ならきっと大丈夫だろうと確信できるのは、これまでの彼女を見てきたから。ハギャレンの“タマッチ”こと珠子(谷藤海咲)や専門学校で出会った沙智(山本舞香)など、どの場所でも最初は結を拒絶する人がいた。だけど、最終的にみんなが結を認めるのは、彼女の諦めが悪いからではないだろうか。どんなに突き放されても食らいつき、良い意味で相手を折れさせるパワーが結にはある。 何より、今回は翔也が近くにいるのも大きい。結は翔也に会えることを期待していたが、お昼の食堂は社員でごった返すのでそれどころではなかった。慣れない注文取りで悪戦苦闘し、立川から怒鳴られている結の姿を目撃した翔也は終業後に彼女をたこ焼き屋に誘う。すると途端に元気を取り戻し、瞳をキラキラと輝かせる結。立ち直りの早さも、彼女の長所だ。 翔也の存在にも支えられ、どうにか最初の1週間を乗り越えた結は女性社員が料理を残していることに気づく。ちなみに女性社員の1人、育代を演じるのは吉本興業所属のお笑いタレント・なるみ。関西では知らない人はいないというほど有名で、すでに終了しているが、『なるトモ!』(読売テレビ)や『ちちんぷいぷい』(MBS)など関西ローカルの情報番組に多数出演していた。彼女がいるだけで説得力が増すので、NHK大阪放送局制作の朝ドラでは常連だ。 4度目の朝ドラ出演となった本作で演じる育代は、シャキシャキとした女性。面倒見が良さそうで、料理を残した理由を聞いてきた結に「うちの社食、量が多いんよ」「女性社員の中にはコンビニでお弁当買ってしまう人もいてて」といろいろ教えてくれる。量の多さに加え、味付けの濃さも女性社員が社食から遠ざかる理由の一つだった。そこで思い切って、結は栄養士の視点から立川にメニューの見直しを提案する。しかし、それに激怒した立川が食堂を辞めようとし、大騒ぎになるのだった。