【UFC】オクタゴン5連勝中のカーロス・アルバーグ「UFCチャンピオンになる為に必要な事をやり続ける。違った事はやらなくていい!」
2024年5月11日(日本時間12日)、米国ミズーリ州セントルイスのエンタープライズ・センターにて、『UFC Fight Night: Lewis vs. Nascimento』が開催される。 【写真】日本のSEI☆ZAで活躍したタバサはビキニ姿でマッスルボディを披露した メインイベントではヘビー級(5分5R)で、12位のデリック・ルイス(米国・264lbs/119.75kg)と、3連勝中の15位ホドリゴ・ナシメント(ブラジル・265lbs/120.20kg)が対戦。 同じヘビー級でメインカードの第1試合に、2012年ロンドン五輪テコンドー80kg超級銅メダリストのロベリス・デスパイネ(フランス)が登場。UFC2戦目に臨む。 また、平良達郎と鶴屋怜が戦うフライ級では、プレリミでジェイク・ハードリー(英国)とチャールズ・ジョンソン(米国)という実力者同士のサバイバルマッチも組まれている。 そんななか、本誌ではライトヘビー級でUFC5連勝中(MMA9勝1敗)のカーロス・アルバーグ(ニュージーランド)にインタビューした。 同じくここ5戦で4勝1分と負けなしのアメフト出身11位のアロンゾ・メニフィールドを相手に、アレクサンダー・ヴォルカノフスキーと同じラグビーリーグ出身のアルバーグはいかに戦おうとしているのか。 ◆アメフトは頭とパッドが重要で、ラグビーのタックルはよりテクニカルだ ──今回の練習環境は? 「自分の地元のニュージーランド・オークランドのシティキックボクシングで調整してきた。UFCの選手も含めてたくさんの選手達がいるからね。そこが自分の基盤の場所になっている。今回同じ大会に参戦するケビン・ジュセや、イズラエル・アデサニヤ、ダン・フッカー……。他にも何人かローカルの選手達がいて、これからUFCにトライしていったり、キックボクサーやボクサーもいるよ」 ──あなたの父親がボクサーで、キックボクシングでは、2017年にキング・イン・ザ・リングのヘビー級王者、2019年にクルーザー級王者になっていますね。中国では『EM Legend』にも出場した。MMAに転向したのは? 「もちろん、UFCを目指すためさ。もともとラグビーでオールブラックスになるつもりだったけど、格闘技の方がアドレナリンが放出されるし、個人の功績だって気付いたんだ。その頂点を目指す過程で大事な人たちのために戦い、国を代表するグラディエーターになる。 UFCは世界最大のプロモーションだし、最初にボクシングを始めた頃からの目標ではあったんだ。10年前にUFCに入ろうと思っていた。それが夢だった。そのためにボクシング、キックボクシングから始めた。そこからMMAの道を作っていった感じかな」 ──今回の対戦相手のアロンゾ・メニフィールドとは、2つ共通点を感じています。奇しくもメニフィールドがアメフト出身で、ラグビーとアメフト出身選手の戦いになります。テイクダウンでも負けられないですね。 「そうだね。アメフトは頭とパッドが重要でぶつかり合うけど、テイクダウンという意味では、ラグビーはよりテクニカルだ」 ──レスリングとは異なりますが、ラグビーのタックルではボールを繋げられないように上半身を殺すことが求められますね。 「その通りで、ラグビーは野蛮なスポーツだけど、とてもフィジカルなスポーツだ。身体操作が肝になる。それを一番、ラグビーから学んだんではないかと思っているよ」 ──それであなたはボディロックテイクダウンやアウトサイドトリップを巧みに使う。ラグビーユニオンとリーグはルールも異なりますね。アルバーグ選手はどちらで? 「実はラグビーリーグとラグビーユニオン、両方プレイしていたんだ。ウィング、センター、セカンドローもやった。リーグは、より展開が速いね」 ──タックルから相手より速く立つことで相手チームより人数的優位に立てる。倒す、立ち上がるというスクランブルの動作は、MMAにも役立っている? 「たしかに。ランニングプレーが多いからね。スピードとフィジカル、コンタクトスポーツの体幹はそこで作られた」 ◆UFCのチャンピオンになるために必要じゃない事はやらなくていい。ジムで過ごすこと! ──そして、もうひとつのメニフィールドとの共通点は、オーソドックス構えからの左前手の名手であることです。あなたは、イーホル・ポティエリア戦でも左リードハンドを効かせていました。あれはキック時代からですか。 「自分の左前手は、ボクシングの経験からきていると思う。ボクシングをやっていた頃、ジャブをすごく使う選手だったんだ。それで相手を倒していたからね」 ──ニコラエ・ネグメレアヌにも左ジャブから、相手の右の返しをスウェイバックして、今度は左前手フックでダウン奪っています。あのスウェイでかわして左フックはよほど身体の軸が強くないと効かせられないと感じました・ 「あの時もそうだけど、だいたいが自分の本能的に備わっている技術なんだ。自分の前手は非常にドミナントで、その体幹の強さは、格闘技をやる前から備わっているものだと思うよ」 ──対して、メニフィールドの左フックをどうとらえていますか。彼は左にステップしながら左フックをひっかけてダウンを奪うなど、独特の強さがあります。 「かなりパワフルだよね。強いと思うし、爆発力もある。そして彼はとても賢い。だから本当に気を付けないといけない。自分がきちんと戦略を持って、戦略を活かして戦う事が大事だ。あの左を打たれないようにしないとね」 ──バックボーンや武器、メニフィールドと強味が似ているなかで、アルバーグ選手が上回っている点は? 「スピードだ。自分の一番の強味はスピードだと思う。彼はパワーがあって、自分ももちろんパワーがあるけど、彼より優れている点はスピードになる」 ──セカンドロー(スクラム2列目)と俊足ウィングを両方こなしたアルバーグ選手ならではですね。今回の相手がライトヘビー級11位のランカーである事について、どう考えていますか。 「今回の試合の結果がどうなっても、絶対にもう一度戦う時が来ると思っている。彼はトップ15ランカーだし、自分が今回やつを倒しても、また彼がランキングを上げてくる過程で対面するだろう。互いにトップに立とうとしているから」 ──かつてはオールブラックス入りを目指していたあなたが今、UFCで目指していることは? 「もちろんゴールはUFCのチャンピオンになる事。その為に必要な事をやり続けていく事。違った事はやらなくていい。ジムで過ごして、ハードにトレーニングをこなし、たくさん学ぶ事。そして常に人に驚きを与えられる選手でありたい。そして勝ち続ける事。勝つのが一番重要だ。この週末も。そして常に学び続ける事──そうだね。勝ちを得る事、常にジムで学ぶ事が大事だと思う」 ──「UFCチャンピオンになるため以外のことはやらなくていい」と。明確です。今週の大一番はズバリ、どんな試合になりますか? 「そこは……実際のところ、どうなるかなんて、誰も分からないよね(笑)。メニフィールドはグラウンドでグラップリングをやりたがるかもしれない。いいグラップラーだからね。だけど自分もグラップリングの準備はしてきたんだ、長い時間をかけてね。スタンドに関しては自信があるから、スタンドでの戦いが中心になるだろうけど、グラウンドの展開になったとしても問題ない。『Fight of the Night』を獲る試合になるだろう。お互い戦いを求めているし、自分もトップ15に入りたいし、彼もトップ15に残りたいだろう」 ──直前インタビュー、ありがとうございました。日本のファンへメッセージを。 「いつも愛と応援をありがとう。シティキックボクシングに日本からトレーニングしに来ている人達がいて、格闘技は日本の文化に長く根付いていると思う。プロ選手でもアマチュア選手でも、日本からニュージーランドに来て一緒にトレーニングできる人がいる事は素晴らしいよ。彼らが自分達から学びを得るように、僕らも彼らから得る事がある。みんな知っていると思うけど日本が大好きだ。早く日本を訪れたいと思っているよ。きっともうすぐだ。日本語で『Thank you』ってなんていうんだっけ? そうだアリガト!」
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