民間保険に入らなくてもいい?我々はすでに「最強の終身医療保険に加入済み」と言えるワケ【保険のプロが解説】
生きていくうえでの「安心」を買うために、我々が加入している「保険」。仮に、時代の変化を反映した新商品が登場したとしても、利用すべき保険は実はとても限られている、ということをご存じでしょうか。保険商品の仕組みから業界の裏事情まで知る、オフィスバトン「保険相談室」代表の後田亨氏が、民間と国の医療保険の違いについて解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
■登場人物 ■後田 亨 :オフィスバトン「保険相談室」代表 ■五十嵐有司(40歳):会社員、五十嵐美香(40歳):パートタイマー 子ども(4歳)1人の3人家族/「医療保険」「外貨建て終身保険」「学資保険」など、5本の保険に加入中/月々の保険料は約8万円(ドル円の為替レートで変わる)
高齢者の医療費、自己負担額はどれくらい?
(後田):老後のお金はやはり気になりますよね。それで、厚生労働省のサイトで、65歳以降の医療費ってどれくらいかかるのかを調べてみました。自己負担は月額いくらくらいだと思いますか? (五十嵐美香):う~ん…1ヵ月に2万円とか、それくらいはかかりそうな気がします。 老後の医療費は月平均7,000円で済む、という意外な事実 (後田):そうですよね、ところが高齢者が自己負担する医療費は、月額7,000円くらいなんです。 (五十嵐美香):本当ですか? (後田):厚生労働省のサイトにある「医療保険に関する基礎資料」を見るとわかるんです※。 ※ 厚生労働省「医療保険に関する基礎資料~令和2年度の医療費等の状況~(令和5年1月)」 この資料に「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額)」が出ています。そこから「自己負担額」を抜き出してグラフにしました(図表1)。 ご覧の通り、年齢が上がるにつれて自己負担額も上がる傾向にありますが、65歳以上も含めて、すべての年齢区分で年間8万3,000円を超えることはないという結果になっています。 月額のほうが、家計のやりくりを想像しやすいかもしれないと思って、月額に換算したグラフも作りました(図表2)。すると、月々の負担は高くても7,000円を超えません。 (五十嵐有司):正直、意外です。 (後田):私も意外でした。もちろん、入院して10万円単位のお金がかかる月もあるのかもしれません。ただ、何事もなく過ごす月もありますよね。ですから、平均するとこの程度なのかなと感じています。 (五十嵐美香):ずいぶん少ない気がします。
【関連記事】
- 「医療保険」はいらない?月2,000円の支払で「入院したら1日1万円、手術を受けたら最大10万円」もらえる「共済」とは
- 年金215万円だったが…繰上げ受給で「年金211万円の壁」超えずに歓喜も、まさかの「年金減額」に高齢夫婦、絶句「う、うそだろ」
- 年収1,200万円の48歳エリートサラリーマン、年金月26万円・70代両親のため「サ高住」入居を援助も…自らの“老後破産危機”に絶句【CFPが解説】
- 〈年金26万円の69歳父〉7年におよぶ「がん闘病」も…医師からの治療終了宣告後に老後破産、家族崩壊のワケ【FPが解説】
- 月収75万円の59歳エリートサラリーマン、退職金2,000万円で“勝ち逃げ”のはずが…一度捨てた〈ねんきん定期便〉をゴミ箱から拾って、驚愕「さすがに何かの間違いでは?」【FPが解説】