バイデン米大統領

「我々は思っているよりも強い。一人の時よりも共にする時にもっと強くなります。人々が不可能だというのは幻想にすぎません」。米国のバイデン大統領による最後の国連総会演説のメッセージは「団結」という一言に要約することができる。バイデン大統領は２４日（現地時間）、ニューヨーク国連本部で開かれた第７９回国連総会の演説で、ウクライナ戦争や中東戦争の終息など世界的な問題解決に向けて国際社会の協力を求めながら上記のように述べた。 これは大統領在任時期、国連教育科学文化機関（ユネスコ、ＵＥＳＣＯ）、世界保健機関（ＷＨＯ）など国際機構から脱退したトランプ前大統領の孤立主義路線に対する迂迴的批判とも解釈された。バイデン大統領は７月に再選への挑戦を断念したことから、この日の「２３分演説」が大統領在任中に国連総会で行った最後の演説として記録された。 ◇「世界史が変曲点に立っている」 バイデン大統領は「我々は世界史のもう一つの変曲点に立っている」とし「今日の我々の選択が今後数十年間の未来を決めるだろう」と述べた。「侵略に相対して戦うのか、激化する紛争を終わらせるのか、気候変動のような全地球的挑戦に対抗するのか、新技術の機会と危険に備えて何を計画するのかなどについて話したいと思う」としたが、１１月米大統領選を控えた米国内政治状況とも無関係ではないとの解釈が出ている。 バイデン大統領はウクライナ戦争に関連して「我々は疲れることができず、冷遇することもできない」とし「ウクライナが正しく恒久的な平和を得る時まで支援をあきらめない」と述べた。この部分では会場にいた各国指導者など高位要人の満場の拍手が起こった。 ◇イスラエル・ヒズボラ紛争「外交的解決」要求 バイデン大統領はイスラエル・ハマス戦争に対しては「武装テロリストのハマスが主権国家を侵攻して米国人４６人を含む１２００人以上を虐殺した」とし「同時にガザ地区にいる罪のない民間人も地獄を見ている。彼らはハマスが始めたこの戦争を望んでいなかった」と述べた。続いて「イスラエルとガザ地区の安全を確保してこの戦争を終わらせなければならない時」と述べて、再び聴衆の拍手を受けた。全面的な衝突危機感が高まっているイスラエルとレバノンの親イラン武装勢力ヒズボラの紛争に関連しても「全面戦争は誰の利益にもならない」とし「外交的解決」を促した。 中国との競争に対しては「葛藤が深まらないように責任感を持って管理するための原則を守らなければならない」としつつも「不公正な経済競争と南シナ海上の軍事的強圧に対抗して台湾海峡の平和と安定を維持する」と述べた。