変化球誌上レクチャー DeNA・大貫晋一『ツーシーム』「カウントを稼ぐ、ゴロを打たせる」
開幕から先発ローテでフル稼働。5連勝を飾った2年目右腕の組み立ては、ツーシームとスプリットのコンビネーションにある。ピッチングの引き立て役となるツーシームの使い方が興味深い。 取材・構成=滝川和臣 写真=榎本郁也 協力=横浜DeNAベイスターズ 僕のツーシームの軌道は、一つはいわゆるシュートのように右打者の胸元に食い込んでいくボール。もう一つはシンカーに近く(投手から見て)斜め右下に落とします。落とすといっても、スプリットのように空振りを狙うのではなく、少しだけ沈ませる変化球です。打者の反応を見て、「タイミングが合っているな……」と感じたときは、指の間を広げたり、狭めたりして握りを変えて投げています。とはいえ、今年は握り方を変えたこともあり、沈むボールよりも圧倒的にシュート系を投げる割合が多くなっています。ファウルを打たせてストライクを稼ぐカウント球でもあり、ゲッツーが欲しいときにゴロを打たせることもできる。僕にとっては、投球を優位に進めるために欠かせない変化球ですね。 覚えたのは大学時代。真っすぐに近い球速でカウントを稼げるボールが欲しかったので、習得に取り組みました。ツーシームがあることで投球の幅が広がり、それ以降は組み立ての主体となっていきました。真っすぐとツーシーム、そして空振りを狙うスプリットをうまく組み合わせます。3つの軌道を似せて、打者に狙い球を絞らせないことが投球の軸であり、特に
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週刊ベースボール