皇室典範の改正求める国連委員会勧告、林官房長官「大変遺憾」
女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が、「男系男子」が皇位を継承することを定める皇室典範の改正を日本政府に勧告する「最終見解」を公表したことを受け、林芳正官房長官は30日午前の記者会見で、「大変遺憾だ。委員会側に対して強く抗議をするとともに削除の申し入れを行った」と述べた。林氏は、日本政府が17日の審査で「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項であり、取り上げることは適当でない」と説明していたことにも触れた。 最終見解では、選択的夫婦別姓の導入なども勧告された。林氏はこれについて「今後、関係省庁において委員会の最終見解の内容を十分検討した上で、国民各層の意見や国会における議論の動向などを踏まえ適切に対応してまいりたい」と述べた。 勧告に法的拘束力はないが、批准する条約の理念の実現に向けて尊重することが求められている。同委員会は2003年、09年、16年と過去3度、「夫婦同姓」を定める民法改正の必要性を指摘している。(森岡航平)
朝日新聞社