もう住めない…日常までの一歩が遠く 石川・七尾市から鈴江キャスターが中継
日テレNEWS NNN
能登半島地震の発生から10日目となりました。石川県内では206人の死亡が確認されています。今もほぼ全域で断水が続いている石川県七尾市から、日本テレビ「news every.」鈴江奈々キャスターに伝えてもらいます。 七尾市の避難所の一つ、中島小学校に来ています。七尾市では225棟が全壊、2189人が避難生活を送り、ほぼ全域で断水が続いています。10日も給水所が市内7か所で設けられ、そのうちの1か所が、こちらの小学校になります。奥に給水車を見ることができます。 10日は、こちらで自衛隊の入浴支援が行われていて、奥に見えるテントが女性用のものになります。午後3時から9時まで行われていて、一人20分利用することができます。 避難所のみなさんにお話しを聞くと、やはり「お風呂にゆっくりつかりたい」と、おっしゃいます。 ただ、この場所には、地域でもまだ入浴することができない方も利用しにくるということで、避難所では「まだ入浴できていない方に利用してほしい。きょうは遠慮しようと思う」という声が聞かれました。 厳しい状況の中でも、地域の温かな「ゆずりあい」も生まれています。 七尾市によると、断水解消のメドは、まだ立っていないということで、避難生活が長期化するのではと、みなさん頭を悩ませていました。 ――地震発生から10日で10日目となりました。子どもたちの様子や学校の再開については、どうなのでしょうか。 中島小学校も避難所になっているので、学校再開のメドは立っていません。そのことで、子どもたちが学校に通えないだけでなく、お母さんも仕事に出ることができないという声が聞かれました。 こちらの避難所にいらっしゃる4歳と7歳のお子さんのお母さんは「生活のためにも仕事に出たいけれど、子どもも見ていないといけないし、どうなるのか見通しが立たない」と、おっしゃっていました。 また、金沢市の隣に位置する内灘町を10日朝に取材したのですが、液状化で家屋の土台が沈下するなどして、住むことができない家が多くみられました。 家が傾いて実家に避難している6人家族にお話をうかがったのですが、「この家には住めないので、県の住宅支援を利用して、別の場所へ引っ越しができたら」と話していました。 ただ、何をするにも、家の被害を示す「り災証明書」が必要で、すでに申請をすませたものの、それがいつ発行されるか見通しが立たないということです。 内灘町にとっても初めての大規模な液状化で、被害件数が多く、被災した家屋の調査に、どれくらい時間がかかるのか見通しが立たないそうです。 被災地では少しずつ、日中は被災した自宅を片づけたり、仕事に出たりという動きも出てきているのですが、日常を取り戻す一歩を踏み出したくても、その「一歩」の見通しが、なかなか立たない状況です。