ヤマトグループ30周年、世代交代祝う 高木前社長「ブラジルに感謝!」 本田社長夫妻の門出祝福
ヤマトグループ(本田総一郎代表取締役社長)は5月2日午後6時、サンパウロ市の系列レストラン「アゲカズ」で、「ヤマトグループ創立30周年記念式典&経営陣世代交代、アゲカズお披露目会」を行った。日系社会や日本食業界関係者ら約80人が出席し、同グループの節目を祝った。
ヤマトグループの中心企業「ヤマト商事」は、1991年に社長髙木和博氏(たかぎかずひろ)、副社長前田房徳氏(まえだふさのり)ら3人によって創設され、ブラジルへの日本酒や日本産食品の輸入事業を行ってきた。 飲食業界に進出し、サンパウロ市に「らーめん和」、和食店「エスパッソ和」、洋菓子店「カズケーキ」などを展開。今回会場となった「アゲカズ」は3月に開店したばかりの揚げ物専門店だ。今ではサンパウロ日本食業界の一翼を担う存在として知られるようになった。 2022年に社長を髙木氏から娘婿の本田氏に交代。本田氏は貿易部門を主に担当し、飲食部門は髙木氏の一人娘で、本田氏の妻の南帆取締役が管理し、夫婦二人三脚でグループ経営を行う。今年3月に経営陣の正式世代交代を行った。 同グループは22年に30周年を迎えたがコロナ禍で式典を開催できず、今回のアゲカズ開店記念とあわせて30周年式典を開催した。 式典には元サンパウロ大学教授で弁護士の二宮正人氏やパナメディカル社社長の板垣勝秀氏、日本から参加の株式会社トライ・インターナショナル代表取締役社長の田所史之氏(ふみゆき)夫妻らが出席した。 トライ・インターナショナルは、「麺場 田所商店」や「味噌屋」などのラーメン店を日本国内外で合わせて180店舗経営(フランチャイズ含む)している会社で、ラーメン和も同社と提携して味噌やスープなどトライ社が日本で作ったものを直輸入している。
創業者の髙木氏は挨拶で、「ヤマトグループが無事に30周年を迎え、後継者にも恵まれたのは、創業から今日まで多くの人に支えられたからであり、本当に感謝しています。私は単身でブラジルへ渡り、文化も言葉も理解できない一介の日本人でした。そんな私に永住権と活躍の場を与えてくれたブラジルに大感謝です。ブラジルよ!本当にありがとう!」と力強く述べた。 本田社長は「ヤマトグループが紡いできた30年分の物語を私と妻で継承しました。ヤマトグループは皆様の支えで成り立っています。今後は皆様に続きが見たいと思ってもらえるような物語をつくっていきたいと思います」と意気込みを述べた。 南帆取締役は、「単身渡伯し一代でヤマトグループを築き上げた父を心から尊敬しています。これまで多くの人に支えられてきたヤマトグループの歴史に恥じないよう、夫婦共々全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」と語った。 式典後、鏡割りが行われ、板垣氏が乾杯の音頭を取った。尺八の演奏やアゲカズの料理が振舞われ、一同舌鼓を打ち、閉会した。