来年3月の千葉県知事選挙、熊谷知事が再選目指し出馬へ…「県民党」掲げ無所属で臨む見通し
千葉県の熊谷知事(46)が来年3月の知事選に再選を目指して立候補する意向を固め、周辺に伝えた。16日に記者会見を開き、正式に表明する。特定の党派色を出さない「県民党」を掲げ、無所属で選挙戦に臨む見通しだ。複数の関係者が明らかにした。 【写真】前回の千葉県知事選で初当選した熊谷俊人氏(2021年3月21日)
熊谷氏は旧民主党の千葉市議を経て、2009年の千葉市長選に初めて当選した。31歳の若さだった。3期目の途中で21年3月の知事選に立候補すると、自民党推薦の候補らを破り、知事選では最多となる140万票超を獲得した。
知事就任後は、成田空港周辺の「農用地区域」に物流施設を整備するための規制緩和を政府に働きかけ、大型物流拠点の誘致に成功した。成田空港を核とする国際物流拠点機能の強化は、国家プロジェクトとして進められることが決まっている。
東京湾アクアラインには特定の時間帯で料金が変動するロードプライシングを試験的に導入。県議会では、かつて自民党の反対で廃案に追い込まれた男女共同参画条例案に関連し、理念の明記にとどめた「多様性尊重条例」を成立させた。
後援会関係者は知事1期目を総括し、「県全体で良くやっている」と評価する。
熊谷氏は12日の記者会見で「次の4年間について、私を選んでいただきたいと自信をもって訴えられるか、自問自答した上で決める必要がある。気持ちは固まりつつある」と話していた。
自民党は独自候補見送りか…前回選のしこりも
熊谷知事が来年3月の知事選に出馬することが決まった。県議会の各会派は準備や対応を加速させる。このうち、最大会派の自民党は今回、独自の候補を擁立しない方向だ。前回選は自民推薦候補と熊谷氏に支援が分かれる事実上の分裂選挙だった。熊谷氏への支援を巡り、党としてまとまった行動を取れるかが注目される。
自民は県議会12月定例会の期間中、会派の議員総会や県連の役員会を開き、知事選の対応を協議してきた。熊谷氏が知事選に出馬するかどうか正式に表明した後、会派としての態度を決める方針で、改めて議員総会や役員会を開いて正式な対応を決定する見込みだ。