北朝鮮が今週にも「衛星」発射か ロシアの助け借りた? 金正恩氏の動静は途絶え…【#みんなのギモン】
■なぜ今週? 去年12月時点で「最短の期日で打ち上げろ」指示か
そうしたロシアの助けもあってか、今週、打ち上げる可能性が出てきたわけです。ただなぜ、今週なのかという点について、北朝鮮情勢に詳しい慶応義塾大学の礒﨑敦仁教授に聞きました。 そもそも金総書記は去年12月時点で「最短の期日で打ち上げろ」と指示していたといいます。今年、何回か失敗した後、技術的に整ったのが今週だということです。 そして、10月に打ち上げると言っていたのが長引いたことについても聞きました。実は8月の失敗についても、10月に打ち上げるという予告についても、実は北朝鮮国内では報じられていないそうです。 そのため、打ち上げが今になっても国内的には説明がつくし、ダメージは無いということです。これまでは、打ち上げを前に国威発揚の雰囲気を作るのが通例でしたが、それとは少し様子が異なります。 今年9月、金総書記がロシアを訪問した際、ロシアの軍事関連施設を熱心に見ていました。そして今、ロシアはウクライナ侵攻を続けるなかで、砲弾が少なくなっています。今の北朝鮮とロシアは協力しあえれば、お互いに利益を得られる状況にあります。近隣諸国にとっては非常に気味の悪い“蜜月関係”と言えます。
■金総書記の動静が途絶え…珍しいこと?
こうしたなか、金総書記の姿が1か月見えません。 ロシアのラブロフ外相との会談が行われたのは、先月19日です。翌20日、北朝鮮の国営メディアはこの会談の模様を報じており、これを最後に金総書記の動静が途絶えています。 金総書記がどこを視察したなど常々伝えている北朝鮮の国営メディアで何も報じられていません。一国のトップが何をしているかわからない状態が続いています。 これが珍しいことなのか、さかのぼってみました。 今回、いわゆる空白期間となるのが31日間です。こうした事態はこれまでに何回かあることで、最も空白期間が長かった2014年の時には、39日間動静が途絶えていました。 当時、40日ぶりに報じられたのは、つえを手にしている金総書記の姿です。韓国の情報当局によると、左足のくるぶしにコブのようなものができ、激しい痛みがあって手術を受けたという説明でした。 今回、動静が伝えられていない理由は、現時点でわかっていません。 ただ、礒崎教授によると先週、ロシアの代表団が北朝鮮を訪問した際、閣僚が含まれていたそうですが、金総書記は会わなかったというのです。 今、まさに関係を重視しているロシアの閣僚なのに、総書記側に事情があって会えなかったのか、そもそも会うべき相手と判断しなかったのかわからない状況です。 いずれにせよ、最近の様子は知らされていないという状況が続いているわけです。 もし今週、衛星の打ち上げが強行されるとすれば、久々にその姿が報道されるのでしょうか。韓国軍の関係者は、これまで何度か見られたガッツポーズなどのシーンが演出される可能性も考えられると話していました。 どういった展開になるのか、引き続き動向注視しなければなりません。 (2023年11月20日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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