晩酌の代わりに牛乳もアリ…「父の日は牛の“乳”を」アピールの裏に酪農家の厳しい現実 エサの高騰で廃業増
2024年は6月16日の日曜日が父の日です。「ちち」にあやかって牛の乳を贈ろうと11日、三重県の酪農家たちが県庁でPRしました。エサの高騰などでいま、酪農家は危機を迎えています。 【動画で見る】晩酌の代わりに牛乳もアリ…「父の日は牛の“乳”を」アピールの裏に酪農家の厳しい現実 エサの高騰で廃業増 三重県の一見勝之知事に11日、手渡されたのは、地元の大内山牛乳です。16日の日曜日は父の日で、その「ちち」にあやかって牛の乳を贈ろうと、三重県の酪農家たちがPRに訪れました。 三重県酪農農業共同組合の担当者: 「健康に良い牛乳をたくさん飲んで、日々の激務を癒されてください」
一見知事は「子供たちのためにも情熱をもってやってほしい」と激励しましたが、いま、酪農家を取り巻く環境は厳しさを増しています。
三重県酪農農業共同組合の担当者: 「ウクライナの戦争、それとコロナの関係。そこら辺から飼料原料の価格が1.5倍ほどに膨らんだりとかして、酪農の利益の幅が一気に悪化した」 円安も追い打ちとなり、輸入に頼るエサの価格が高騰し、全国で廃業する業者が増えているといいます。 津市のスーパー「ぎゅーとらラブリー渋見店」では、牛乳は218円から300円近い商品まで幅広く揃えられていました。 総務省の調査では、東海3県でも1リットルの紙パックの価格が2年間でおよそ20円から30円上昇していて、それでも生産者などの努力で、値上げ幅を抑えているといいます。
女性客: 「朝はパン食なので。高いからといって買い控えることはまずない」 別の女性客: 「価格の事はお互い様と思うんですけどね。なんとか底値で安定してほしいですよね」 ぎゅーとらラブリー渋見店の店長: 「お客さまから『高くなったね』というお声を聞くのも事実で、ただどうしても牛乳は生活必需品なので、お客さまに負担をかけてしまうのは心苦しいところではあるんですけども」
今のままでは経営が厳しい、でも値上げをすれば売れなくなる。酪農家たちは現状に危機感を募らせます。 三重県酪農農業共同組合の担当者: 「売上が伴わないことには後継者にも譲れませんし。喉が乾いたら飲みたいなとか、疲れたらちょっと飲んでみたいなと、自然に酪農を身近に思ってもらえるだけで僕はうれしいなと思います」 健康のためにも父の日は晩酌の代わりに牛乳という選択肢もいかがでしょうか。