モーニング娘。'23

12月28日、29日、30日、31日の4日間にわたり幕張メッセ国際展示場1～8ホール・イベントホールにて開催されている毎年恒例の音楽イベント「COUNTDOWN JAPAN 23/24」。まだ新型コロナウイルスの影響が色濃く残っていた昨年とは違い、今年は規制が撤廃されたことにより、盛り上がりを見せた。HOMINISでは29日に出演したモーニング娘。'23とアンジュルムのライブの模様をお届けする。 【写真を見る】アンジュルム EARTH STAGEの13時台に登場したモーニング娘。'23。11月29日に開催された卒業コンサートでこれまでリーダーを務めていた譜久村聖が卒業し、12月からは新体制として始動したばかり。筆者はそれ以来のモーニング娘。'23のステージということもあり、新リーダーとなった生田衣梨奈を中心としたグループの姿を見られるのを楽しみにしていた。ステージの両サイドにあるスクリーンにモーニング娘。'23の文字が映し出されると、会場からは怒号のような声援が響き渡る。その光景は他アーティストとは一線を画す、アイドルならではの空間。1曲目に披露されたのは2023年にリリースされた「すっごいFEVER！」。1曲目からモーニング娘。'23らしい情熱的でダンサブルなパフォーマンスで会場を虜にしていく。 2曲目にはきっとファンではなくとも知っているであろう「そうだ！ We're ALIVE(updated 23 ver.)」が届けられた。AメロからBメロにかけてのディスコサウンドから、サビでは一転して王道アイドルポップスへと変化する特徴的な楽曲。ラストには会場から大きなコールが巻き起こり、楽曲が持つパワーをひしひしと感じた。「泡沫サタデーナイト」ではリーダーの生田が「12月から新体制のモーニング娘。になりました！　今日も全力でパフォーマンスしますので、みなさんついてきてくださいね！」と煽ると、会場のギアが一段階上がり、彼女たちの熱量に呼応するように会場は熱気に包まれる。 疾走感が目まぐるしい「Wake-up Call～目覚めるとき～」、激しいダンスと刻まれたサウンドが印象的な「ブレインストーミング(updated) 」 」、つんく♂らしい恋愛観が綴られた「What is LOVE?」など、怒涛のセットリストが爽快だ。続けて披露された「HEAVY GATE」のライブステージでの迫力がものすごい。メンバーの歌声に合わせてコールをするのが気持ちいい楽曲だ。「恋愛Destiny～本音を論じたい～」を経て、この日、最大の盛り上がりを演出したのが「LOVEマシーン(updated 23 Ver.)」。この曲に関してはもはや説明不要だろう。90年代を代表する楽曲であり、モーニング娘。を象徴する1曲。現代版にアップデートしつつも、楽曲の世界観は健在で、イントロを聴くだけで胸が高鳴る。観客からは「Wow～」のコールが巻き起こり、会場は ダンスフロアと化していた。最後に歌い上げたのは「わがまま 気のまま 愛のジョーク(23 Ver.)」。まるで80年代のディスコにいるかのようなパーティー感に包まれながらステージの幕が閉じた。 続いてGALAXY STAGEの19時台に出演したのがアンジュルム。まだ出演時間まで時間があるにも関わらず、会場からはメンバーに名前が飛び交い、さながらワンマンライブに来ているかのようだった。今年5月に新メンバーの下井谷幸穂と後藤花がグループに加入し、6月には2代目リーダーを務めた竹内朱莉に代わり、新たに上國料萌衣がリーダーに就任。この日が新体制後初めてのフェスということで、どんなセットリストが並ぶのか期待していた。 メンバーがステージに現れると、一人ひとりダンスパフォーマンスを披露し会場を湧かせていく。冒頭から驚かされたのが、「明晩、ギャラクシー劇場で」を1曲目に披露したことだ。激しいアップチューンで1曲目からアンジュルムの世界観に惹き込んでいく、そのパフォーマンスは圧巻。最初からクライマックスかと勘違いしてしまうほど会場は一体感に包まれた。続けて「46億年LOVE」を披露した後は、上國料が「GALAXY STAGEにお集まりのみなさんこんばんは～！」「初っ端から前の方だけじゃなくて、後ろの方のみなさんも飛んでいるのが見えてめちゃくちゃ最高ですね」と挨拶。 「赤いイヤホン」「アイノケダモノ」「RED LINE」とアンジュルムの中でも攻めたダンスナンバーを立て続けにパフォーマンス。12月にリリースされたばかりの「RED LINE」では真っ赤なライトに照らされ、クールなダンスが映えていて最高にかっこいい。まだ攻めるかと言わんばかりに「マナーモード」、そして重厚なサウンドで早口のリリックが特徴的な「次々続々」を披露。「ぶちあがっていきましょう～！」と上國料が呼びかけると、「ドンデンガエシ」ではこれぞアンジュルムらしいステージを作り上げた。ここまで全力で駆け抜けてきても、一切ダンスのキレが衰えない彼女たちの末恐ろしさ。改めて広いホールが似合うグループだなと感じた。 ここからはラストに披露されることも多いキュートなポップナンバー「愛すべきべきHuman Life」でアンジュルムの幅の広さを見せ、恒例でもある「And you？ And you？」の歌声が響き渡った。締めはもちろん、アンジュルムに改名後初のシングルとなった「大器晩成」。やはりこの曲はライブの最後を飾るにふさわしい高揚感と余韻をもたらしてくれる。モーニング娘。'23とアンジュルムともに、この日のために用意された攻めのセットリストで音楽ファンをも巻き込み、今年を締めくくる素晴らしいステージだった。 取材・文＝川崎龍也