東山紀之は「人類史上最も愚かな事件」と断罪、引退へ…“帝国崩壊”から1年、ジャニー喜多川の“罪”が明るみに出るまで
元ジュニアの男性3名が顔を出して登場
番組には被害を受けた元ジャニーズJr.の男性3名が、顔を出して登場する。冒頭の男性は30年以上前にジュニアだったハヤシ氏(仮名)。彼は15歳のときにオーディションに合格した。初めてのレッスンの日、“合宿所”と呼ばれるジャニー氏の自宅マンションに招かれた。そこで他のジュニアと遊んでいると、 「お風呂に入っておいでよ」 とジャニー氏から声がかかったという。風呂場に行くと、ジャニー氏がバスタブにお湯を張っていた。 「上着を脱がせてくれて、そこまではまだ親切だなと思っていたんですが、ズボンに手がかかって、自分で脱げますと言ったときに、無言だったんですね。それがすごい恐怖心で。そのまんま何もできず、ズボン脱がされ、パンツ脱がされ、靴下脱がされ。ジャニーさんはお風呂に入らない、洋服も着てますけど。僕1人お風呂入れられて全身洗われて、お人形さんみたいに」
ジャニーズ氏から夜通しマッサージ、「口でされた」
その夜、ハヤシ氏はジャニー氏に夜通しマッサージをされたという。別の日にはジャニー氏から、「口でされた」とも明かした。インタビューの最後、ハヤシ氏はこう語っている。 「売れてる人に限っては、ジャニーさんのおかげで、入った瞬間から人生が変わっていると思うので、感謝の気持ちは皆さんいっぱいあると思うんですけど。感謝の気持ちと、性犯罪は別なんだと思うんです」 レポーターのジャーナリスト、モビーン・アザー氏が小誌に明かす。 「取材中、彼は突然泣き始めました。ごめんなさい、ごめんなさいと謝り続けたんです。ハヤシさんや発言した人たちには、何も謝る必要はなく、恥ずかしいことは何もないと、ここで明言したい。沈黙を打ち破り、体験を伝えてくれる人々の勇気がなければ、この番組は成り立たなかった」 『プレデター』は、ジャニー氏による性加害を、世界で初めて取り上げたテレビ番組となった――。
BBCは以前から関心を持っていた
ジャニー氏が亡くなってから4年が経った。なぜいまBBCはこの問題を取り上げたのか。ディレクターのメグミ・インマン氏が経緯を説明する。 「ジャニー氏の性的虐待は、2000年に『ニューヨーク・タイムズ』が報じ、BBCも以前から関心を持っていたテーマでした。ジャニー氏が2019年に亡くなったとき、同時期にハーヴェイ・ワインスタインやR・ケリーの問題が世界的な話題となっており、それに連なる問題だと思いました」