高まる円買い介入再開のリスク、米監視リスト入りは妨げにならず
介入発動ライン
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはリポートで「介入に対して必ずしも反対姿勢が強まっているわけではない印象だ」とし、神田財務官が過去に言及した「2週間で4%」の基準に照らせば「161円前後が介入発動ライン」になり得ると分析した。
神田財務官は今年2月、1カ月強の間に約10円も円安に動くのは「かなり急速」だと指摘。翌3月には2週間で4%の円安は「なだらかなものとは到底言えない」と発言した。
ブルームバーグの分析によると、過去28日間のドル・円の変動幅は21日時点で5円35銭のドル高・円安。「神田ライン」の10円の約半分で、少なくとも163円に達するまでは介入の可能性が低いということになる。
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は、155円よりも円安水準での推移が長かったため、160円で「『急速な円安』にマッチするかは疑問だ」と指摘。本格的な口先介入を含めて為替介入への警戒感が高まってくるのは165円台からとみている。
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Daisuke Sakai, Ruth Carson