悪コンディションの中行われた一戦は、武蔵越生が国際学院に4発快勝!
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選第2日は6月2日、各地で2回戦12試合が行われ、ベスト16が決まった。プレミアリーグEASTの昌平とプリンスリーグ関東2部の西武台、関東高校大会予選を制した正智深谷と同準優勝の東京成徳大深谷は、6月8日の3回戦から登場する。 【フォトギャラリー】国際学院 vs 武蔵越生 武蔵越生は前後半に2点ずつ奪って国際学院に4-0で快勝し、3回戦で西武台と対戦することになった。 中断中の県S1(1部)リーグで暫定3位の武蔵越生は、豪雨によりピッチに水たまりができる悪コンディションとあり、ラインを高く保って敵陣に素早く進入する戦法を取った。スピードのないグラウンダーのパスやロビングのボールは、すぐに止まってしまうからだ。 セットプレーからの得点が増えてきたという武蔵越生は前半8分、ボランチ原柊太(3年)の蹴った右CKから左2列目のMF諸井来恩(3年)がヘッドで合わせたが、左ポストをわずかに外れた。 それから10分ほど攻めあぐねていたが、21分に先制ゴールを挙げる。FW森一馬(2年)の縦パスを預かったFW髙橋悠太(3年)が、地をはうような強烈なシュートを決めた。この2分後には、諸井がプロ顔負けの弾丸ミドルシュートを蹴り込んで2点目を奪う。 29分には森の左足シュートがGKを襲い、外れはしたが33分に原が右CKからヘディングで狙った一撃も惜しかった。 昨年のインターハイ予選ベスト16の国際学院は、前半6分にFW鈴木簾(3年)の右足シュートがバーを直撃。相手守備陣を慌てさせたが、前半の決定的なチャンスはこの1本だけだった。 前半を2-0で折り返すと、武蔵越生は後半の序盤にも2点を追加。これで勝敗の大勢は決した。 まず2分、森の縦パスから持ち上がった髙橋が左足で中距離砲を決めると、10分には2アシストと活躍していた森が、けがから復帰した左SB丸山来真(3年)の左クロスをダイレクトで右隅に蹴り込んだ。高橋は25分、MF中島修斗(2年)の右クロスを合わせたが、GKに好捕されてハットトリックを逃した。 国際学院は後半、前線を手厚くして反撃を狙ったが、ピッチ状態にも苦しみ敵の守りを切り裂く展開にまで持ち込めなかった。昨季からのレギュラーであるFW松﨑隆弥(3年)が、19分に鋭い弾道のシュートを放ったが、GKにパンチングで防がれ得点できなかった。 武蔵越生は伊奈学園との1回戦を1-0で制し、これで2戦続けての無失点勝利。丸山と同じく、昨季の経験者でもある主将のCB原田彪雅(3年)が故障から復帰したのが大きいのだろう。井上精二監督も「ふたりとも経験値が高いですからね。やはり安定感があります」と言う。 ここ1カ月ほどでチームが変わって点については、「うちはセットプレーからやられるケースはあったが、決めることは少なかった。でも最近はよく取れるようになってきました」と説明。前日の伊奈学園戦はMF山田叶我(3年)がFKを直接決め、中断前のS1リーグ細田学園戦と昌平セカンド戦もセットプレーから得点し、勝ち点を上積みした。 3回戦の相手は優勝候補の西武台だ。1月の新人大会西部支部予選準決勝では0-3で敗れ、県大会出場を逃した。「あの時はインフルエンザで主力の大半が欠場したんです。今回はいい状態で臨めそうです」と、井上監督はリベンジという言葉こそ使わなかったが、雪辱に懸ける思いは相当なものだろう。 国際学院は目下、県S2Aリーグ最下位で、失点16は8位の細田学園セカンドと並んで最多だ。酒井宏治監督は試合前、「関東大会予選2試合もリーグ戦6試合にしても必ず失点していたが、本庄東との1回戦は1-0で勝ちました。きのうみたいにいきたいですね」と話していたが、4失点での無念の完敗だった。 (文・写真=河野正)