年収103万円の壁解消で県と市町村、計約300億円減収
年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」を解消した場合の本県への影響について、県は20日、県と市町村で計約300億円の税収減につながるとの見通しを明らかにした。吉村美栄子知事は「地方にとって多大な影響が出る。代替財源をしっかり確保していく必要がある」と語った。 県税政課と市町村課によると、2023年度決算の県税は約1174億円、このうち個人県民税は342億円。市町村税は約1409億、うち市町村民税が約585億円。年収の壁解消で、個人県民税が約120億円、市町村民税が約180億円、それぞれ減る計算といい、個人県民税、市町村民税とも3割超の減収となる。 吉村知事は同日の記者会見で、自身がチームリーダーを務める全国知事会の男女共同参画プロジェクトチームが、働く女性の意欲を阻害しない制度となるよう抜本的な見直しを提案してきたと指摘。「究極論で言えば(年収の壁は)ない方がいい」とした一方、厚生年金の「106万円の壁」なども念頭に、「総合的に考え、段階的に進めることが望ましい」と続けた。
総務省から反対するよう直接的・間接的な要請があったかとの質問には「わたしには一切なかった」と答えた。