沼津でタチバナ収穫ピーク 自生する北現地で
沼津の特産品「タチバナ」の収穫が現在、戸田エリアでピークを迎えている。(沼津経済新聞) 【写真】収穫したタチバナ(関連写真3枚) タチバナは、日本に古くから野生していた日本固有のかんきつ類の一種。本州の一部、四国、九州などに自生しているのが確認されており、戸田地域はタチバナが自生する北限として知られている。小ぶりな実は香り高く、酸味が強いのが特徴。タチバナは古事記にも登場し、田道間守が常世国から持ち帰った不老不死の木の実「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」といわれている。タチバナの常緑は永久の繁栄を意味するめでたいものとして、そして香りが良いことから十二単(ひとえ)の袂(たもと)に入れる匂い袋や虫よけとして使われ、皇族や貴族に大切にされてきた。古くから日本に自生するタチバナとシークヮーサーは日本に2つしかない野生種とされている。 戸田森林組合(沼津市戸田)によると、今年は夏の暑さで実の色づきが遅く、11月下旬に収穫が始まったという。収穫量は例年並みの予定で、アロマオイルの原料や、マーマレードなどの食品原料として出荷される。 同組合の長倉建治さんは「古来から愛されてきたタチバナの香りはとにかく魅力的。天皇家との関わりもある日本の宝。タチバナについてより多くの人に知って、感じてもらえたら」と話す。
みんなの経済新聞ネットワーク