花澤香菜「花野井くんくらい恥ずかしがらずに自分の気持ちを真っ直ぐ伝えてくれるのはうれしい」『花野井くんと恋の病』インタビュー
◆この作品では2人が出会ったことで、それぞれの人生が変わっていくようなところがあると思ったのですが、花澤さんご自身は高校生のときに人生が変わるような出来事や出会いはありましたか? 『ゼーガペイン』というアニメで初めてヒロインをやらせていただいたのが高校生だったので、それは大きかったですし、めちゃめちゃ今の人生に影響していると思います。当時子役をやっていましたが、そんなにせりふのある役をやったことはなかったんです。めくれどめくれどせりふがあったし、(作中で)ロボットに乗るけど、ロボットなんて乗ったことがないから、「きゃー!」っていうせりふも、ジェットコースターやお化け屋敷でしか言ったことがないんですよね。だから家で、壁に向かって練習していたことを思い出します。あのときに出会った先輩たちに今お会いすると、「ありがとうございました」って言ってしまうんですよね(笑)。 ◆その頃から仕事をしていて、学校行事には参加できていたのですか? お仕事はそんなに忙しくはなかったので、ちゃんとやっていましたよ。生徒会の副会長だったんですけど、全然やることがない、一番いいポジションなんです(笑)。でも一度だけ会長がいないときがあって、体育祭で開会式の言葉を私が急遽言わなければならなくなったときは、普段から真面目にやっておくべきだったなと思いました。本当に何も言えなくて「はじめよーー!!!」みたいな、ダメだこりゃって感じだったので(笑)。 ◆ある意味そのテンションは、今にも通じる気が……(笑)。学校の行事では何が好きでしたか? イベントでは文化祭が楽しかったです。演劇部ではなかったんですけど、担任の先生が演劇好きな人で、有志を集めて劇をやるみたいなことになって、参加したんです。毎日お稽古をしていて、あのとき役名でクラスメイトを呼び合っていたのとか楽しかったし、かわいっ! って思いますね(笑)。 ◆すごく青春な感じがします。でも、そういう高校行事を今も味わえるのが、声優という仕事のいいところでもあるような気がします。 面白いですよね。自分の経験値を削ぎ落としていくのって、アニメならではというか。若い気持ちでもいられますし。だって、文化祭とかもうしないじゃないですか。キュンキュンをもらえますよね。 ◆ちなみに、序盤のキュンキュンポイントはどこですか? 第1話で、花野井くんが、鼻とか手を真っ赤にしながら、ヘアピンを探すところですかね。ほたるちゃんじゃない女の子が、そんなことをされたら、例えば私だったらキュンってなっちゃうんです。でもほたるちゃんは、そこで、自分を大事しなさいよ! って感じで、「バカヤローッッ!」って言ったりするので、その展開もまたこの作品らしくていいなと思いました。 ◆では最後に、第1話の見どころを教えてください。 第1話は、ほたるちゃんがどういう女の子なのかがしっかり描かれるので、高校生の楽しい日常というより、彼女がどんなことを考えているのか。結構、間とかも大事に使って、しっかり描いていく演出になっているんです。そこから花野井くんと出会い、徐々に画面がキラキラしていくんですよ。花野井くんがめちゃかっこいいキラキラショットみたいなのが最後のほうに出てくるので、それをぜひ見逃さないでほしいです。「キター!」って言っちゃうくらい、かっこよかったので(笑)。 <PROFILE> 花澤香菜 ●はなざわ・かな…2月25日生まれ。東京都出身。AB型。近年の主な出演作には、『鬼滅の刃』(甘露寺蜜璃役)、『五等分の花嫁』(中野一花役)、『青の祓魔師』(杜山しえみ役)、『おでかけ子ザメ』(子ザメちゃん役)などがある。 ●photo&text/塚越淳一
塚越淳一