西武黄金時代を知る82歳宮田統樹アナ「強い西武を復活してもらいたい」
◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム10月のテーマは“日本シリーズ中継の秘話” いよいよ2024年度の日本シリーズが今夜から始まる。今季は最下位に終わったが、長年西武ライオンズを中心に取材・実況してきた82歳の大ベテランニッポン放送・宮田統樹アナウンサーに、西武の日本シリーズで印象に残っている場面について語ってもらった。 「電光掲示板に森監督の辞任のニュースが流れたんですよ。ファンの皆さんも我々もびっくりしたんですけど、こんなことは今まで前例がなかったので、シリーズの最中に監督の動向が流れるというのはね。その日の試合前でしたよね」。 森祗晶監督は86年から西武の指揮をとり、9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一に導いた名将だ。94年の巨人との日本シリーズ第6戦を前に、東京ドームの電光掲示板に森監督の退任が報道された。 宮田アナはたまたま試合前にエレベーターで森監督と乗り合わせたそうで、その時に森監督が発した一言が今でも記憶に残っているという。結局、試合は1-3で敗れ、森監督の西武での最後の指揮となった。 ◆ サヨナラシリーズ 宮田アナは広岡達朗監督時代の1983年の西武と巨人の日本シリーズも印象に残っている。 「第6戦の中継で喋っていたような気がして、金森選手がレフトへサヨナラヒットを打ったんだよね。覚えています。本当にサヨナラ、サヨナラのシリーズですね」と宮田アナが話したように、第3戦、第5戦が巨人のサヨナラ勝ち、第6戦は西武がサヨナラ勝ちと、7試合で3度サヨナラ勝ちがあった。ちなみに、同年は西武が4勝3敗で日本一となっている。 宮田アナは「今は交流戦があってみんな選手が仲良くなっちゃった。その頃は敵、ライバル意識というのが巨人、西武に強かったんですよ。だからね、サヨナラシリーズが余計に印象に残っていますね」と話してくれた。 ◆ 強い西武復活を願う 西武は80年代から90年代前半にかけて黄金時代を築き、その後も97年と98年にはリーグ連覇、04年、08年に日本一、18年、19年にリーグ優勝を達成したが、今季は49勝91敗3分の最下位に沈んだ。 強い西武を取材してきた宮田アナは「今年はやっぱり打線がね、ホームランバッター、外国人選手が結局打たなくて、ほとんど休みがちでシーズンの後半は打つ方の外国人選手がほとんどスタメンに出ていなかったですよね。それが大きな原因の一つだと思いますね。ホームランバッターがいないというのは、相手にとって楽だったんじゃないですかね」と分析。 かつてはリーグ優勝して日本シリーズに出場するのが当たり前だったチームだが、近年はなかなか日本シリーズに進出できていない。 「西武は強いという意識、パ・リーグのリーダーシップをとっている時期が一時期あったんですよ。年々弱くなっているんですよ」とポツリ。 「来年はホームランバッターを是が非でも探してほしい。源田、外崎を中心に西川、長谷川といった若手がバッティング面で持続するような形。今年のジャイアンツの吉川選手のような選手が一人、源田、外崎に続いて出てくるといいですね。いつまでも源田、外崎に頼っていられないから、長谷川、西川、キャッチャーの古賀とかね、更なる成長を期待して、相手に嫌がられるバッターとして彼らはやってほしい。西口監督はピッチャー出身だから、1点を守り切る野球というのをやるんじゃないですか」と熱い思いを口にした。 来年西武が西口新監督のもとリーグ優勝、日本シリーズ進出した時には、日本シリーズで実況したいという思いはあるのだろうかーー。 「もうありません(笑)実況はなしでいいですけど、強い西武を復活してもらいたいですね」。誰よりも82歳の宮田アナが強い西武復活を願っている。 (ニッポン放送ショウアップナイター)
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